「気軽に経営できる」と評判のAirbnb(エアビーアンドビー)民泊。しかし、いざ喜び勇んで参入してみると、思いのほかたくさんの規制に阻まれることに・・・。「持ち家」、「自宅」かつ「一軒家」の場合はほとんど何の規制もなく運営できるのですが、そうでない人々にとってエアビーアンドビー経営も、実はまったく気軽なものではないのです。

このページでは、民泊ホストに立ちはだかる法規制のうち「転貸(又貸し)」に関する内容を、その対応策まで含めて徹底解説していきます。

1 ほとんどのマンションは民泊アウト!?賃貸物件は原則的に転貸が禁止されている!

エアビーアンドビーで賃貸を転貸する際の注意点!

実は、賃貸物件を借りてきてAirbnb(エアビーアンドビー)経営を行おうと企むなら、ほとんどの人は早速法令違反に陥ります。なぜかと言えば、賃貸マンションは原則的に、転貸(又貸し)が禁止されているから・・・。

1-1.転貸(又貸し)とは?字のごとく、賃貸している物件をさらに誰かに有償で貸すこと。

まず、転貸とはどういったことなのでしょうか?

賃貸契約しているマンションなどの不動産を、お金を貰いながらさらに他の誰かに貸すことを、「転貸」または「又貸し」といいます。

1-2.転貸は、賃貸業の基本法令「賃貸借契約」の中で禁止されている!

貸しに出している物件を借り主がどんどんと転貸してしまうと、元の大家さんはせっかく何千万円も投資して不動産を得たのに、報われないことになってしまいますね。そのため、賃貸業の基本法令である「賃貸借契約」の中で、「転貸禁止」の旨が大原則とされているのです。

1-3.賃貸借契約書に記載が漏れていても、民法の中でも禁止されている!

賃貸借契約書は、ひな形となるものが存在しており、多くの大家さんや管理会社はこれを踏襲しますが、稀に独自に作成をしていることがあります。すると、「転貸禁止」について具体的な記載のない賃貸借契約書も存在するのですが、そのような場合でも、「記載が無いから転貸しても良いじゃないか!」というAirbnb(エアビーアンドビー)ホストの主張は通りません。なぜなら、民法の中にも転貸を禁止する法律が存在しているため。

民法第612条
貸借人(借りた人)は賃貸人(大家さん)の承諾を得なければ、その賃貸権を譲り渡し、又は賃貸物を転貸することができない。賃借人が前項の規定に反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせた場合、賃貸人は契約の解除をすることができる。

つまり、「転貸しても良い」とハッキリ書かれていない場合はすべて、転貸は違反となるのです。

1-4.「バレなきゃいいや」では済まされない!バレたら強制退去+方々への賠償金・・・。

実情として、転貸禁止の法令を無視してAirbnb(エアビーアンドビー)経営をしているホストは多いです。特に2015年頃までに参入した人には非常に多いのですが、それでよいとは言えません!

民法第612条にもあるように、転貸の実態が大家さんに知られたなら、強制的に契約解除をさせられる可能性があります。3カ月先まで予約で埋まっていようが、今まさに民泊ゲストがくつろいでいようが問答無用で、強制退去させられる可能性があるのです!

すると、大家さんはもちろんのこと利用中のゲストや予約済みのゲストに賠償金を払う必要性があり、この額は場合によっては数百万円にも達するでしょう。購入した家具家電は無駄になり、あなたのもとには莫大な借金だけが残ることに・・・。

1-5.調査会社や民泊通報窓口の登場で、無断転貸はあちこちからバレる!

無断転貸でAirbnb(エアビーアンドビー)経営をしても、あちこちからバレるようになってきています。

近年は、無断転貸を調査する会社というものが登場してきました。大家さんや管理会社は、自分の利益を守るためにこうした会社に委託し、無断転貸オーナーを突き止めています。

また、エアビーアンドビーや京都市、札幌市などが「民泊通報窓口」を設置しはじめたのをご存じでしたか?エアビーアンドビー民泊を良く思っていない大衆は多く、そのため様々な人たちが、不正な民泊を通報するようになってきています。

「エアビーアンドビーは民泊ホストの住所を公開しないからバレない」などと民泊代行業者や民泊セミナー講師が言っても、それを真に受けてはなりません。

2 民泊許可物件を工面する4つの方法と注意点。

エアビーアンドビーで賃貸を転貸する際の注意点!

つまり、まともに民泊経営をしたいのであれば、無断転貸は避け、きちんと大家さんや管理会社からの承諾を得ましょう。民泊転貸が可能な物件を工面するには、いくつかの方法があります。

  1. 大家さんにお願いしてみる。
  2. 民泊許可物件専門のサイトを当たる。
  3. 事業用物件を当たる。
  4. 仲介業者に探してもらう。

それぞれにコツや注意点があるので、詳しく解説してみましょう。

2-1.大家さんにお願いしてみる。

まず、あなたがすでに民泊用の物件を借りているなら、その物件の大家さんに交渉してみましょう。

2-1-1.ほとんどの大家さんは転貸許可には応じてくれない。

交渉してみる価値はありますが、とはいえほとんどの大家さんは、転貸許可には応じてくれないと覚悟してください。なぜかといえば、転貸をされることは、大家さんにとって非常にリスクが大きいからです。得られたはずの利益を奪われることはもちろん、転貸によって立ち入る人の数が増えれば、それだけ汚破損の確率が上がってしまうので、当然ですね。

しかし、あまり気にしていない大家さんもいます。そのため、まずはとりあえず、「Airbnb(エアビーアンドビー)民泊をしてみたいのですが、許可を頂けますか?」と素直にお願いをしてみましょう。

2-1-2.家賃アップや敷金額アップを提示して、大家さんにメリットを作ろう。

お願いに応じてもらえなかった場合は、大家さんにもメリットを作る方法で交渉をしてみましょう。

たとえば、「家賃をあと2万円払うので」「敷金をもう1カ月分払うので」といった具合です。こうしたメリットまたは保険を提示することで、転貸許可をもらえる確率はぐんと上がります。

2-1-3.仲介会社に交渉しても意味がない!

ちなみに、転貸許可を得るために交渉すべきは「大家さん」であって、仲介会社に当たってもほとんど意味はありません。

一般的に不動産は、大家さんとではなく不動産仲介業者と交渉して契約することになります。そのため、転貸許可に関しても不動産仲介業者に仲介してもらうべきと考えてしまうかもしれませんが、それは大きな間違い。

不動産仲介業者や管理会社などの仲介者は、転貸許可を得るための交渉を大家と行ったところで、金銭的なメリットが無いのです。そのため、そうした仲介者にお願いしてもそもそも門前払いを食らうか、または「連絡しておきますね」と言われたまま無視されてしまうでしょう。

2-2.民泊許可物件専門のサイトを当たる。

今借りている物件で転貸許可が得られない場合、新たに物件を借りなおす必要がありますね。

その場合、民泊許可物件を専門に扱っている不動産仲介サイトを当たるのが、最も手軽な方法と言えます。

2-2-1.民泊ブームを商機と捉え、転貸許可を出す大家は増えている。

元々、民泊向けに転貸を許可する大家さんはとても少なかったのですが、逆にこれを商機と捉え、「転貸OK」と手のひらを反す大家さんも増えているのです。そしてこうした戦略的な大家さんのほとんどは、民泊許可物件の専門サイトに掲載(委託)をしています。

2-2-2.従来よりも家賃は2割増し!さらに特殊な手数料まで掛かることも!

「商機」とはどういうことでしょうか?従来と同じ条件で貸しても大家さんにとってリスクが大きいだけですから、つまり民泊許可物件のサイトでは、従来と違う貸し方をしているのです。

これは主に、「家賃の引き上げ」で、大抵は従来よりも2割くらい引き上げられています。さらに、仲介サイト(仲介業者)側も特殊な手数料を取ることが多く、民泊用不動産を工面するための費用は以前よりも高騰してきてしまっています・・・。

2-2-3.家賃の高い物件だと黒字を出せないのが今のエアビーアンドビー市場・・・。

しかし、ご注意ください!

競争が激化し、さらに宿泊相場の値崩れが続く現在のAirbnb(エアビーアンドビー)市場だと、家賃の高い物件では充分な黒字を出すことが難しくなっているのです。

都心/郊外問わず、ファミリー物件の1泊の(予約が入りやすい)相場は8,000円程度で、そのため家賃5万円程度で物件を工面できないと、まともなビジネスとして利益を上げるのは難しいでしょう。

2-3.事業用物件を当たる。

結局のところ、「とりあえず見つける」だけなら民泊許可物件のサイトは役立つのですが、長期的な黒字経営を慎重に考えるなら、そのセオリーでは厳しそうです。そうなるとやはり、他のホストとは違う方法で、自力で転貸可能物件を探すしかありません。

2-3-1.「民泊許可物件」は少なくても、「事業用物件」なら巷の不動産サイトにもけっこうある。

アパマンやエイブルといった不動産サイトで「民泊許可物件」を見つけるのは、ほとんど不可能でしょう。しかし、「事業用物件」に関しては、いつの時代でも一定数、貸し出されています。

「商業用」「店舗用」「事務所用」などと書かれた物件であれば、Airbnb(エアビーアンドビー)民泊での転貸を許可してくれる可能性は高いです。また、「自宅兼オフィス」タイプの物件も同様に、多くは転貸が可能となっています。

2-3-2.とはいえ事業用物件も家賃が高い!よほどの戦略性が無ければ現実性は低い。

とはいえ、事業用の不動産物件というのは、住居用の物件と比べて軒並み高い家賃設定がなされています。敷金なども高いでしょう。するとやはり、「採算をとる」という目的では民泊物件に向かないと言えます。

ユニークなコンセプトを持っており、1泊2万円くらいでも高い稼働率を出せるなら、法規制面で安心な事業用物件を選ぶ価値はありそうです。

2-4.仲介業者に探してもらう。

家賃が安く、かつ転貸可能な掘り出し物物件を見つけるには、不動産の仲介業者に探してもらうのが最も良策かもしれません。しかしここにも注意点があります。

2-4-1.大手フランチャイズや駅前の繁盛店は望みが薄い・・・。

多くの人は、アパマンやエイブルといった有名な大手フランチャイズの不動産屋を好みます。しかし、大手フランチャイズは、効率主義的な考え方をしているため、こういった面倒くさい内容の物件探しに丁寧に協力してくれる可能性は低いです。

同じように、駅前など人通りの多いところにある繁盛店も、わざわざ手間の掛かる案件に労力を割く必要性が低いため、まともに相手をしてくれる可能性は低いでしょう。

また、大手フランチャイズの場合そもそも、会社の大本の方針として、全面的に「転貸禁止」で統一しているケースが少なくありません。

2-4-2.当たるなら、個人経営の小さな不動産屋がベター。

「家賃の安い転貸許可物件を探してください!」といったマニアックなお願いをするなら、個人経営の小さな不動産屋を当たるのがオススメです。

こうした店のオーナーは、人柄の良い人が多く、厄介な相談にも丁寧に応じてくれる傾向にあります。また、繁盛していない店ならなおさらのこと、貴重な契約を得るために奔走してくれるでしょう。

2-4-3.2~3万円程度の手間賃を払えば、探してもらえる確率はアップ!

仲介会社が協力してくれない理由は要するに、「無用に手間がかかるから」であることがほとんどです。

そのため、仲介手数料とは別途で、「転貸物件探しの手間賃」として2~3万円程度の謝礼を払えば、行動してくれる可能性は上がります。

3 転貸許可を得られただけで安心してはダメ!エアビーアンドビー民泊を規制する法令は他にもある。

エアビーアンドビーで賃貸を転貸する際の注意点!

トピック2で解説した方法や注意点を踏襲すれば、転貸可能な物件を工面できる可能性は高いです。しかし、それで安心するのは大間違い!

3-1.マンションの管理規約も、転貸や事業を禁止ていることが多い!

民泊を規制する法令は幾つもあります。最も抵触する可能性が高いのは、マンションの管理規約でしょう。

ほとんどのマンションの管理規約では、民泊のような転貸や収益事業の経営を禁止しています。多くの場合、ちょっとした個人事業は目をつむってもらえていますが、民泊の場合は大衆の反感が強いため、強く禁止されてしまうケースが多いです。

3-2.投機型民泊なら、旅館業法か特区民泊法の認可を取得しないと違法!

また、投機型(家主不在型)民泊なのであれば、そもそも旅館業法(簡易宿所規約)または特区民泊法の認可を取得しなければ、違法民泊となって裁かれてしまいます。

民泊スタートアップnaviでは、旅館業法や特区民泊法など、他の法令の認可取得方法についても詳しく解説しています。お求めの記事があれば、同一カテゴリー内から探すか画面右端の検索窓に当該のキーワードを入力して探し、お役立てください。

まとめ。

【ほとんどのマンションは民泊アウト!?賃貸物件は原則的に転貸禁止!】

  • 転貸(又貸し)とは?賃貸している物件をさらに誰かに有償で貸すこと。
  • 転貸行為は、賃貸業の基本法令「賃貸借契約」の中で禁止されている!
  • 賃貸借契約書に記載が無い場合でも、民法の中でも禁止されている!
  • 「バレなきゃいいや」では危ない!バレたら強制退去+方々への賠償金。
  • 調査会社や民泊通報窓口の登場で、無断転貸はあちこちからバレている!

【民泊許可物件を工面する4つの方法と注意点。】
1.大家さんにお願いしてみる。

  • ほとんどの大家さんは転貸許可には応じてくれないことを覚悟して。
  • 家賃アップや敷金額アップを提示して、大家さんにメリットを作るのが得策。
  • 仲介会社に交渉しても意味がない!交渉すべきはあくまで大家さん。

2.「民泊許可物件」専門のサイトを当たる。

  • エアビーアンドビー・ブームを商機と捉え、転貸許可を出す大家さんは増加中。
  • 従来よりも家賃は2割増し!さらに特殊な手数料まで取られることも!
  • 高額家賃の物件だと黒字を出せないのが今のエアビーアンドビー市場。

3.事業用物件を当たる。

  • 「民泊許可物件」は無くとも、「事業用物件」なら巷の不動産サイトにもある。
  • とはいえ事業用物件も家賃が高い!よほどの戦略性が無ければ現実味はない。

4.仲介業者に探してもらう。

  • 大手フランチャイズや駅前の繁盛店は、手伝ってくれる可能性が薄い。
  • 当たるなら、個人経営の小さな不動産屋がベター。
  • 2~3万円程度の謝礼を払えば、探してもらえる確率はアップ!

【転貸許可を得られただけで安心してはダメ!エアビーアンドビーを規制する法令は他にもある。】

  • マンションの管理規約も、転貸や事業を禁止ている物件が多い!
  • 投機型民泊なら、旅館業法か特区民泊法の認可を取らないと違法!

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