近年、中高生の修学旅行に変化が起きています!

京都や東京などの定番観光地には行かず、農業体験などをしながら地方の一般民家に宿泊するいわゆる「民泊型修学旅行」が、人気を博するようになってきましたね。時流をくみ取り、導入を検討している地方自治体や中学高校も多いことでしょう。

このコラムでは、修学旅行民泊を受け入れる・行うにあたり想定される問題点やその解決策について、どこよりも詳しく解説していきます。

1 地方自治体が受けられる、修学旅行生民泊受け入れのメリットは?

修学旅行生民泊は今流行りのAirbnb(エアビーアンドビー)民泊とは異なり、家主が個々で参入を決めるようなものではありません。まずは町や村などの地方自治体でプロジェクトを起こし、自治体主体で学校(学生)の誘致などを行う必要があります。あなたが自治体の中の一市民に過ぎないのであれば、修学旅行生民泊のメリットを自治体にプレゼンテーションして、地域全体を説得しなければなりませんね。

修学旅行生民泊受け入れのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

  1. 大勢の修学旅行生が訪れることにより、民泊受け入れ家庭のみならず地域全体の経済活性化につながる。
  2. 次代を担う学生たちに地方の生の声を聴き生の姿を見てもらうことで、農業・漁業・工業者など第一次産業や過疎、環境などの問題意識を高めさせることができる。
  3. 修学旅行生の受け入れをキッカケに、受け入れ家庭同士の交流・連携・親睦が密になる。
  4. 民泊での交流や体験を通して、学生たちのコミュニケーション能力向上に貢献できる。
  5. 若い世代と交流をすることで、高齢者たちが元気をもらうことができる。
  6. 学生たちに説明する作業を通して(改めて勉強するために)、地元地域への理解や愛が深まる。
  7. 修学旅行生受け入れに備えて、各家庭はもちろんのこと地域全体がキレイになる(清掃が徹底され、花植えなど町が彩られる)。

すでに修学旅行生民泊を導入した地域では、これらのメリットは著しい成果を上げ、そして持続しています。何点かは、さらに細かく掘り下げて解説しましょう。

1−1.修学旅行民泊は、目覚ましい経済効果を生み出している。

「地方創生」「地方の活性化」そうしたキーワードを掲げて、各地方自治体は知恵を絞っていますね。修学旅行生民泊は、経済を中心とした地方の活性に非常に貢献できています。

1−1−1.設備投資が要らないのでローリスクハイリターン。

民泊受け入れによる地方活性プロジェクトの場合、「多額の助成金をハコモノに費やして無駄遣いに終わる」というありがちな失敗には陥らずに済みます!なにしろ民泊の場合、必要な設備投資というものはほとんど皆無に等しいのです。民泊は民宿とは違うので、一般的な民家でそのまま宿泊客の受け入れを開始することができるのは、大きな魅力ですね。

自治体のみならず、各民泊受け入れ家庭にも先行投資リスクを強要しなくて済むので、理解を得られやすく、また、ダメージが小さく済みます。

1−1−2.民泊家庭だけでなく、地域全体に収入恩恵がある。

修学旅行生をもてなす民泊家庭はもちろん、ダイレクトに宿泊収入が入ります。しかしそれだけではありません。修学旅行生たちは民泊家庭や体験農地などの付近で食べ物を買ったりお土産を買ったりしますから、地域全体にお金の流入が起こるのです。新たに名産品を作って売り出し、それが成功している事例もあります。

1−1−3.100人×2泊の修学旅行生で、200万円ほどの地域経済効果。

ちなみに、100人の修学旅行生を1回(2泊)受け入れた際の地域全体の収益は、200万円程度が相場となっています。修学旅行シーズンに20サイクル受け入れれば、地域全体では4,000万円もの潤いになるということです。

1−2.日本再生に貢献することができる。

「ゆとり世代」が危惧されて久しいですが、若者世代の非常識や無知を憂いている年配者は少なくありません。

1−2−1.若者たちは深刻すぎるほどに自然から切り離されてしまっている。

「コンニャクが野菜であることを知らない。」「サケは切り身の姿で泳いでいると思っていた。」と二十歳近い青年たちが平気で口にしていては、無理もありませんね。都市型社会が過剰になりすぎており、クワを持ったことがない、ノコギリを持ったことがない、川に飛び込んで遊んだことがないという若者が増えています。そこに危機を感じない年配者は居ないでしょう。

1−2−2.親が子に自然体験を与えられない時代、体験民泊の貢献は絶大。

さらに深刻なのは、親世代すらも自然になじみがなく、親が子供にエコツーリズム(農業体験や山登りなど)系のレジャーに連れ出してやることすら、無くなってしまっている現状です。そんな時代にあって、若者たちに「地方」や「田舎」、「自然」、そして何より、「農業」や「林業」などの第一次産業を全身で体験させる機会を提供するのは、日本全体にとって非常に有意義なことですね。

1−2−3.修学旅行民泊での農業体験で親しみを持ち、農業労働に飛び込んだ若者も出てきている。

実際、修学旅行民泊でサトウキビ収穫を体験した生徒が、やがて夏休みのリゾートバイト(地方住み込みバイト)の折りに沖縄のサトウキビ畑労働に戻ってきたというエピソードもあります。リゾートバイトは一般的に、ホテルや山小屋での屋内労働に人気が集まりますが、学生時代に農業を体験したことで農業が身近になり、労働の選択肢に入るようになったのですね。若者の就労活動にも第一次産業の人手確保にも、どちらにも役に立っているということです。

1−3.若い世代との交流が生活にハリを与える。

家や地域に大勢の若者が訪れることによって、受け入れ地域では男性女性ともに、生活にハリと潤いが生じます。心身ともに若返ることは言わずもがなで、経済収入以外にも大きなメリットと喜びを生んでいます。

1−3−1.田舎滞在になじみを得ることで、移住を検討する若者も増えるはず。

若者世代を移住させることや地域を若返らせることは一朝一夕ではない実情、若者と金銭流入を端的に呼び起せる修学旅行民泊は、非常に有能です。すると、農業従事同様、学生時代に田舎滞在になじみを得たことによって、同じ土地への移住を検討する若者も増えてくるでしょう。

2 修学旅行生民泊がはらむ問題点と、その解決方法。

地域全体で、しかも大勢の若者を対象に民泊受け入れを行うことは、やはりたくさんの問題点や懸念をはらんでいます。過去の事例を参考にして、どのような問題点があるか、そしてどのように解決すれば良いかを探っていきましょう。現状、手に負えないほどの深刻な問題は起きていません。

2−1.体験させる農業がない。

修学旅行生民泊は、自宅宿泊の体験だけでなく農業などの作業体験が欠かせません。しかし地域によっては、農業も漁業も盛んではない土地がありますね。そのような地域では修学旅行生民泊は受け入れられないのでしょうか?

解決策:漁業、林業、養鶏、養蜂、伝統工芸品の作成など、選択肢は多岐にわたる。

体験民泊のプログラムとして採用されている作業は、思いのほか広範囲に渡っています。農業や酪農はもちろんのこと、漁業、林業、養鶏、養蜂、伝統工芸品の作成、食品加工、伝統芸能、はては「忍者体験」などという前例もあります。大都会でもなければ何かしらの第一次産業的特産を持っているはずで、体験民泊のプログラムには事欠かないはずです。

2−2.地域の賛成多数が得られない。

修学旅行生規模の民泊となると、1人の住民やリーダーの決断では遂行できません。しかしAirbnb(エアビーアンドビー)の悪評の影響もあり、民泊というものについて自治会で賛成多数を得ることが難しいかもしれません。

解決策1:すべての家庭に強要したりはせず、環境に合わせた自主制にしましょう。

まず、民泊受け入れをすべての家庭に強要してはなりません。他人との共同生活は人によっては非常に苦痛ですし、もてなしの人手や空間が確保できない家も、少なくないはずです。

解決策2:受け入れ学校からの収益は、民泊家庭だけでなく地域全体で享受するようにしましょう。

受け入れ学校からの収益は、受け入れ民家だけでなく、地域全体で分配するようにしましょう。もちろん受け入れ民家が多くの報酬を受けるのは当然ですが、民泊家主をしなくても地域に学生が大勢訪れれば少なからずの面倒と手間を被りますね。そうした「修学旅行生民泊の総合的なリスク」に対して、民泊家主以外の家庭にも報酬やメリットを還元するよう配慮しましょう。

解決策3:実情として、大反対されるケースはあまり多くない。

こうした民泊プロジェクトは基本的に、得体の知れないハコモノを建造するわけでもなければ野外フェス(爆音を響かせるコンサート)を行うわけでもないため、地域住民の大反対に遭うことは少ないはずです。

トピック≪メリット総論: 修学旅行民泊の生み出すメリットは多岐に渡って絶大!≫で挙げたように、非常に多角的なメリットがあるため、こうしたメリットを丁寧にプレゼンテーションすれば、まず大勢の理解・協力は得られるでしょう。

2−3.民泊受け入れのやり方がわからない。

「何をすれば良いのか」「何をしてはいけないのか」「どんな準備が必要なのか」民泊を営むうえで必要なことは、あまり大衆には理解されていません。実情は割とシンプルですが、知らない人にとってはそれすらわからず、難解に感じてしまうものですね。

解決策1:民泊受け入れの研修を行いましょう。

民泊業務に関しては、研修を行うべきです。布団の上げ下げを生徒にやらせる家庭とやらせない家庭があったりしてはいけません。また、学校や参加住民と話し合いを持ち、すべての民家で一定のクオリティを保てるようなマニュアル作りを行うのが良作です。家庭ごとに「個性」を設けるのは良いことですが、「クオリティ」に大差があるのは良くないですね。

解決策2:研修だけでなく、審査も行うべきです。

研修だけでなく、審査も行うべきです。いくら住民側が民泊受け入れを望んでも、住環境や人間性に問題がある場合は民泊家主に選定してはいけません。たとえば、男性しか居ない家庭では民泊受け入れは行わないほうが良いでしょう。女子生徒の気持ちに寄り添うことが難しく、また、家を清潔に保ったり良質な食事を提供することが困難な場合が多いです。

解決策3:家主の力量や適正に合わせて、生徒のマッチングを配慮すべきです。

無愛想な学生や問題児気質な学生へのあしらい方の上手い家主とそうでない家主が出てきたら、学校と連携して多少のマッチング操作をしましょう。扱いの難しい学生は扱いの巧みな家庭で受け入れるようにするのです。また、海外の留学生ホームステイの場合、共通の趣味を持つ家主と学生をマッチングするような配慮を行っており、それが上手くいっています。

2−4.学生たちの反抗や無気力に対処できるか不安だ。

中学生や高校生くらいの思春期では、「頑張ることはカッコ悪い」「田舎はダサい」といった意識の強い時期で、体験民泊に好意的に取り組んでもらえるかが心配ですね。

解決策1:学生たちは思いのほか協力的であることを知りましょう。

実情として、学生たちの反応はおおむね良好であるようです。もちろん反抗的な学生、無愛想な学生も存在しますが、あくまで一部であり少数派で、大半はそのようなことはありません。農作業などの進捗が著しく停滞することもあまりなく、作業がいつもより早く終わることも少なくないのです。初心者でも失敗せずに行えるような作業を見極め用意しておくことで、作業の停滞は防げるでしょう。

解決策2:食事の好き嫌いに配慮しましょう。

過去の事例では、民泊家庭ごとに異なる食事に対する不満が、多く報告されています。年配の旅行者は地方色あふれる食事を喜びますが、中高生くらいだと好き嫌いが多く、ローカルフードにまゆをひそめることが少なくありません。ローカルフードの中でも一般受けのする食事を研究したり、訪れた学生たちの好みに合わせて具材の調整などが行えるならベストですね。

解決策3:若者への歩み寄りを行いましょう。

学生たちからの印象を良くし仲良くするためには、にこやかに愛想よく接することはとても重要ですね。また、若者文化についてテレビなどで勉強して、それらを説明や話題の中にうまく散りばめると、学生たちから好感を持たれます。明らかに付け焼刃な情報でも構いません。「おっちゃんたちでもEXILEに入れっかな?」などと若者単語を挿入するだけで、「私たちのために努力してくれていてうれしいな」と喜んでもらえます。

2−5.学生や保護者からの不満が続出しないか心配だ。

「一般家庭に泊まる」ということに対して不安を持ったり、実際の体験に不満を感じる学生は少なからず出てくるでしょう。来年以降の続行が危ぶまれるようなクレームも出るかもしれません。

解決策1:多少のクレームが上がるとしても、怖気づかない信念の強さが大切です。

そもそも舞台は修学旅行・課外学習であり、レジャー旅行ではありません。学校や普段の生活では学べないことを経験するのが、課外学習の意義です。養鶏の早朝からの鳴き声騒音に耐えさせることは、虐待でもなければ不親切でもないはずですね。

解決策2:学校や保護者にしっかりと意思疎通を行い、理解を得ましょう。

こうした「慣れない環境で社会生活や第一次産業を学ぶ」というコンセプトについて、学校や保護者にしっかりと意思疎通を行い、理解・協力を得ておくことが大切です。

解決策3:他の地方自治体と連携を取りましょう。

すでに修学旅行生民泊を実施した自治体に問い合わせ、「前評判は悪かった→体験してみたら感動した。」という感じ方の変化の事例や、「1年目は反対意見が多かった→2年目は先輩学年からのクチコミ・説得により好感度が増した。」といったクチコミ影響のわかる資料(学生たちの感想文など)を取り寄せ、多くの成功事例を見ることで自信になります。また、先駆校の失敗事例から学ぶべきこともあるでしょう。

2−6.安定的な学生確保について不安がある。

自治体全体が修学旅行生民泊に肯定的になっても、利用してくれる学校が無ければ元も子もありません。また、1度は利用してくれた学校も2年3年と継続してくれるかどうかはわかりません。事業には経営安定にまつわる不安が付き物ですね。

解決策1:「修学旅行生民泊はあくまで副業的な産業」と割り切るべきです。

修学旅行生民泊受け入れはそれなりに大きな産業となりうるものではありますが、受け入れ地域のあなた方は、「あくまで副業的な産業」と割り切ることにしましょう。

先の熊本地震では、地震後にやはり修学旅行生民泊の予約キャンセルが相次ぎ大打撃を受けた事例がありますが、地域の雇用や経済を修学旅行生民泊一本に絞ったり、主産業と捉えて依存するのは早計と言えます。

解決策2:経済効果よりも、教育的意義を優先する道徳心を持ち続けましょう。

修学旅行生民泊受け入れを始めた自治体の中には、新たに名産品を作り出し、それが好評を博したりする例も見受けられます。しかし、基本的には経済効果はあまり期待せず、教育的意義や総合的な地域活性を第一に考えるようにしましょう。

利益主義になりすぎると、提供するコンテンツも地域住民の心構えも軽薄になりすぎてしまうきらいがあり、それが学校側からの嫌悪を買ってしまう結果になります。(京都観光やUSJ観光の修学旅行が敬遠されはじめたのは、まさにそういった理由からなのです。)

3 修学旅行のコンテンツに体験民泊を選ぶメリット(学校側)。

では次は、学校側から見た「体験民泊導入のメリット」を解説しましょう。基本的には、トピック≪地方自治体が受けられる、学生民泊受け入れのメリットは?≫で語ったことと同じです。そちらもぜひ、ご参照ください。

  1. 学校では行えない学生たちの情操教育・マナー教育・地方文化教育・伝統教育などが極めて効率よく行える。
  2. 学生たちに地方の生の声を聴き生の姿を見てもらうことで、農業・漁業・工業者など第一次産業や過疎、環境などの問題意識を高めさせることができる。
  3. 民泊での交流や体験を通して、学生たちのコミュニケーション能力向上が図れる。
  4. 生学たちと高齢者たちとの間で世代間交流が持て、高齢者へのいたわりや敬意を育むことができる。
  5. 地方特有の人情やいたわり、助け合い、スローライフ、非資本主義的なふるまいを体験することができる。
  6. 都市型生活や一極集中が深刻化する中で、地方の魅力・田舎の魅力を学生たちに知ってもらうことができる。
  7. 定番観光地を避けることにより、経済の一極集中を回避し、地方経済や中小企業の活況に貢献できる。
  8. 修学旅行コンテンツの多様な選択肢を得ることで、地域の中学と高校が同じ場所に重複訪問してしまうような事態を回避できる。(多くの地域が中学・高校ともに京都に修学旅行に赴いてしまうような事態が起きている。)
  9. 次世代型の経済システムであるエコツーリズム(旅行レジャーで農業や自然を体験すること)やシェアリングエコノミー(すでに有るものを共有することで、環境破壊や資金浪費を避ける経済)の促進に貢献できる。
  10. 沖縄や京都、USJ、東京観光に我が子を連れていける親は多いが、民泊体験や農業体験を子供に提供できる親は極めて少ない。

すでに修学旅行生民泊を導入した学校では、これらのメリットは著しい成果を上げ、そして持続しています。人気のある体験民泊受け入れ地域は、数年先まで予約が取れないほどになっており、修学旅行民泊の成果が証明されています。もはや商業化しすぎてしまった京都観光型の修学旅行は、もう廃れていくかもしれませんね。

4 修学旅行民泊の際に学校側が気を付けるべき問題点と解決策。

従来型の修学旅行から体験民泊に切り替える際には、学生・親ともどもの反発を受けたりなど、たくさんの課題に直面することでしょう。ここでは、それらの解決策を探っていきます。

4−1.保護者や学生から、民家宿泊への反発が大きい。

「得体の知れない民家に泊まる」ということに拒否反応を示す家庭・学生が、やはりどの学校にも一定数いるようです。解決手段は無いのでしょうか?

解決策1:民泊を強要せず、ホテル泊などの代替手段を用意しておきましょう。

そのような家庭・生徒に対して、まずは説得を試みるべきですが、それでも反発が収まらないならば、むやみに民泊を強要しないほうが良いでしょう。当たり障りのないホテルにも泊まれる選択肢を用意してあげて、学生側の拒否感情を尊重すると良いです。なお、民泊を拒否してホテルに泊まってはみたものの、「やっぱり民泊を選んでおけば良かった」と後悔してしまう学生が多いようです。

解決策2:受け入れ家庭の質の向上を、自治体と協力して取り組みましょう。

民泊の良さは「家庭っぽさ」にこそあり、ホテルのような設備や接客を期待することは間違っています。しかし、やはり一定のクオリティは確保してもらうべきですね。そのために、学校側として各民泊家庭にクリアしてもらいたい条件などをまとめ、きちんと自治体に提示し、それを各民泊家庭に守ってもらうよう、協力を仰ぎましょう。

解決策3:沖縄など観光的魅力の高い地域を選び、民泊以外の部分で妥協させましょう。

田舎民泊に対して拒否反応を示す学生は、やはり少なくはありません。しかし、実際に体験してみると「帰るのが惜しくて泣いてしまった」というような学生が続出するほどで、満足度はおおむね高いという統計結果が出ています。

拒否反応への対策として、沖縄など観光的魅力の高い地域を選び、民泊以外の部分で妥協させる案があります。また、修学旅行の内容を知らせる(決定する)前に、学生たちにアニメ映画「となりのトトロ」を観せることで、田舎体験への好感度・期待度を上げる効果が出たと報告されています。

4−2.保護者や学生から、労働体験への反発が大きい。

 

農業体験などという地味なコンテンツに不満を覚える学生は、やはり少なくないでしょう。

解決策1:体験民泊の訪問先を、伝統芸能系にすると良いかもしれません。

農業・漁業・酪農あたりはどうしても、都会人が慣れない重労働や動物臭さと対峙しなければならず、そこに大きな拒否反応が出やすいです。しかしこれが、京都などあまり田舎・大自然ではない地域で伝統芸能や伝統工芸と触れさせる場合には、そこまで大きな不快やカルチャーショックには至らないで済むでしょう。ただし、伝統工芸の中にも皮の加工など激臭を伴うようなものもあるので、もちろん、分野だけで決めるのではなく環境そのそものリサーチすることは重要です。

解決策2:訪問先を海外にするだけで、学生からの印象は大きく好転します。

たとえば同じ酪農体験でも、日本ではなく海外となれば、周囲の文化や環境体験に魅力的な要素が多く、学生たちにも肯定的に受け止めてもらいやすいです。

解決策3:「修学旅行の本来の目的は学習にある」ということを説得し、理解を得ましょう。

21世紀に入った頃から、USJやディズニーランド、沖縄の海を観光するような修学旅行も増えていますが、修学旅行の本来の目的は、「楽しいレジャー」でありませんね。多少辛くても不快でも、何かを学んでもらうことが目的ですから、その点を生徒や保護者に理解してもらえるよう、説得に努めましょう。実情として、体験民泊の持つ意義は学生にも社会にも絶大なものがあるので、自信をもって説得にあたることが大切です。
民泊スタートアップnaviでは、非営利的な立場から、各種民泊についてノウハウや意義など、多角的なコラムを用意しています。トップページからお求めのジャンルの情報を探し、お役立てください。

まとめ。

【地方自治体が受けられる、修学旅行生民泊受け入れのメリットは?】
(1)大勢の修学旅行生が訪れることにより、民泊受け入れ家庭のみならず地域全体が経済活性化の恩恵を受けられる。
(2)次代を担う子供たちに地方の生の声を聴き・生の姿を見てもらうことで、農業、漁業、工業など第一次産業や過疎、環境などへの問題意識を高めさせることができる。
(3)修学旅行生の受け入れをキッカケに、受け入れ家庭同士の連携や親睦が密になる。
(4)民泊での交流や体験を通して、生徒たちのコミュニケーション能力向上を図れる。
(5)若者たちと交流をすることで、年配者たちが元気をもらうことができる。
(6)子供たちに説明する作業を通して(改めて勉強するために)、地元地域への理解や郷土愛が深まる。
(7)修学旅行生受け入れに備えて、各家庭はもちろんのこと地域全体が綺麗になる(清掃が徹底され、花植えなどで町が彩られる)。
・修学旅行民泊は、地域に目覚ましい経済効果を生み出している。目安として、100人×2泊の修学旅行生で、200万円ほどの地域経済効果。修学旅行シーズンに10サイクル受ければ、4,000万円にも達する。
・民泊は設備投資が要らないので、ローリスクハイリターンを実現している。
・修学旅行生は地域で食品を買ったり土産を買ったりするため、民泊家庭だけでなく、地域全体に収入恩恵がある。
・修学旅行生民泊を受け持つことで、日本再生に貢献することができる。
・若者たちは深刻すぎるほどに自然から切り離されてしまっている。親が子に自然体験を与えられない時代、体験民泊の貢献は絶大。
・修学旅行民泊での農業体験で親しみを持ち、農業労働に飛び込んだ若者も出てきている。
・体験民泊を通した若い世代との交流が、地方高齢者の生活にハリを与える。
・若者たちが田舎滞在になじみを得ることで、地方移住を検討する若者も増えるはず。

【修学旅行民泊がはらむ問題点と、その解決方法。(自治体側)】
・体験させる農業がない。
解決策:農業に限らず漁業、林業、養鶏、養蜂、伝統芸能、伝統工芸品の作成など、選択肢は多岐にわたるため、コンテンツに困ることはないはずです。
・地域の賛成多数が得られない。
解決策1:すべての家庭に民泊受け入れを強要したりはせず、環境に合わせた自主制にしましょう。
解決策2:受け入れ学校(や生徒)からの収益は、民泊家庭だけでなく地域全体で享受するようにしましょう。
解決策3:実情として、大反対されているケースはあまり多くないので、そう心配はいりません。
・民泊受け入れのやり方がわからない。
解決策1:自治体主導で民泊受け入れの研修を行いましょう。
解決策2:研修だけでなく、審査も行うべきです。男性しかない家庭など、民泊家主に向かない家庭は受け入れをさせないようにしましょう。
解決策3:問題児気質な生徒のあしらいが巧い家庭には問題児気質の生徒をあてがうなど、家主の力量や適正に合わせて、生徒のマッチングを配慮すべきです。
・修学旅行生生たちの反抗や無気力に対処できるか不安だ。
解決策1:修学旅行生は思いのほか協力的であることを知りましょう。
解決策2:食事の好き嫌いに配慮しましょう。若者は年配者ほどローカルフードに興味が薄いため、生徒によって食材の調整などできるようにしておくとベターです。
解決策3:若者への歩み寄りを行いましょう。テレビなどで若者文化を仕入れておくと良いでしょう。
・生徒や保護者からの不満が続出しないか心配だ。
解決策1:多少のクレームが上がるとしても、怖気づかない信念の強さが大切です。
解決策2:商売である前に教育なので、多少の不快は耐えてもらうべきです。学校や保護者にしっかりと意思疎通を行い、理解を得ましょう。
解決策3:他の地方自治体と連携を取りましょう。体験前と後との生徒たちの意識の変遷がわかる資料(感想文など)を見せてもらいましょう。
・安定的な生徒確保について不安がある。
解決策1:「修学旅行生民泊はあくまで副業的な産業」と割り切るべきです。主産業に据えるべきではありません。
解決策2:経済効果よりも、教育的意義を優先する道徳心を持ち続けましょう。商業主義になりすぎると学校から反感を買ってしまいます。

【修学旅行のコンテンツに体験民泊を選ぶことのメリット(学校側)。】
(1)学校では行うことが難しい生徒たちの情操教育、マナー教育、地方文化教育、伝統教育などが、極めて効率よく行える。
(2)生徒たちに地方の生の声を聴き生の姿を見てもらうことで、農業、工業、漁業など第一次産業や過疎、環境などの問題意識を高めさせることができる。
(3)民泊での交流や体験を通して、子供たちのコミュニケーション能力の向上が図れる。
(4)生徒たちと高齢者たちとの間で世代間交流が行われ、高齢者へのいたわりや敬意を育むことができる。
(5)地方社会特有の人情やいたわり、助け合い、スローライフ、非資本主義的なふるまいを体験することができる。
(6)都市型生活や一極集中が深刻化する中で、地方の魅力や田舎の魅力を生徒たちに知ってもらうことができる。
(7)京都仏閣など定番観光地を避けることにより、経済の一極集中を回避し、地方経済や中小企業の活況に貢献することができる。
(8)修学旅行コンテンツが多様化することで、中学時代と高校時代で同じ場所に重複訪問してしまうような事態を回避できる。
(9)次世代型の経済システムであるエコツーリズム(旅行レジャーで農業や自然を体験すること)やシェアリングエコノミー(すでに有るものを共有することで、環境破壊や資金浪費を避ける経済)の促進に貢献できる。
(10)京都や沖縄、USJ、東京観光に我が子を連れていく親は多いが、民泊体験や農業体験を子供に提供できる親は極めて少ない。

【修学旅行民泊において学校側が気を付けるべき問題点と解決策。】

・保護者や生徒から、一般民家宿泊への反発が大きい。
解決策1:説得はすべきですが無暗に民泊を強要せず、ホテル泊などの代替手段を用意しておきましょう。
解決策2:受け入れ家庭の質の向上を、自治体と協力しながら取り組みましょう。
解決策3:沖縄など観光的魅力の高い地域を選び、民泊以外の部分で妥協させてしまいましょう。
・保護者や生徒から、労働体験への反発が大きい。
解決策1:体験民泊のコンテンツ内容を、伝統芸能系にすると良いかもしれません。
解決策2:体験内容が同じでも訪問先を海外にするだけで、生徒からの印象は大きく好転します。
解決策3:「修学旅行の本来の目的は学習にある」ということをきちんと説得し、理解を得られるよう努めましょう。

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