民泊も事業の1つ。ましてやAirbnb(エアビーアンドビー)民泊や農家民泊の場合、大勢の、かつ勝手の知らない人々があなたの家に訪れることになり、そのぶんアクシデントの発生率は高まります。民泊を営むなら、保険には加入しておいたほうが良いのでしょうか?その場合、どのような保険があるのでしょうか?

このページでは、エアビーアンドビー民泊を中心に、民泊にまつわる保険事情を中立的立場から解説していきます。

1 Airbnbは掛け金0円で最高1億円もの補償プログラムを用意している!

民泊(ホームステイ)の受け入れに必要な保険は?

民間企業の提供する保険に加入するか否かに関わらず、まずはAirbnb(エアビーアンドビー)社が標準で提供している保険があることを知っておきましょう。エアビーアンドビーは、創設から10年近くが経ってようやく黒字化にこぎつけたのですが、財政的に余裕の無かったこれまでも、最高1億円もの保険を、利用者に提供していたのです。

ホストを補償するプログラムは、2つ用意されています。

1-1.「ホスト保証」は、ゲストの過失によって負った損害を補償してくれる。

「ホスト保証」は、民泊ゲストが壊したり汚したりしたトラブルでの損害を補償してくれます。といっても、少しややこしい仕組みで、単純に損害金額をAirbnb(エアビーアンドビー)社が払うというものではありません。

1-1-1.「保証金」を設定してまずはゲストに弁償させるのが、「ホスト保証」の仕組み。

ホストがリスティング(施設の詳細ページ)を作成する際、「保証金」の設定が促されます。これは、もしゲストが何らかの過失を犯してしまった場合に、ゲストに弁償してもらいたい金額の上限値を設定するものです。

ゲストは予約と同時に、この「保証金」の支払いに同意したことになります。そのため、この金額の範囲内の損害であれば、ゲストがスムーズに弁償してくれる可能性は高いでしょう。

1-1-2.「保証金」は高ければ良いというものではない!2万円程度が限界か。

ゲストは、仮に何か損傷を犯してしまったとしても、この「保証金」で設定された額以上を払う必要はありません。10万円もするガラスのローテーブルを割ってしまったとしても、弁償する額は2万円で良いのです。すると、ホストとしては「保証金」をなるべく高い金額に設定しておきたいところですが、そうもいきません。

というのも、「保証金」の設定額があまりに高すぎると、ゲストは怖くなって、予約を避けてしまうためです。それゆえ、大抵のAirbnb(エアビーアンドビー)ホストは、「保証金」の設定額はせいぜい2万円程度に留めています。

1-1-3.「保証金」で足りない金額を、Airbnb社が補填する仕組み。

しかし、高額なローテーブルを置いているホストも心配は要りません。ゲストからの「保証金」でまかないきれない残りの8万円については、Airbnb(エアビーアンドビー)社が補填する仕組みなのです。

ですから、「保証金」を0円に設定しても損はしない仕組みではありますが、しかし、1万円程度の金額には設定しておいたほうが良いでしょう。これは、ある程度の弁償額を提示して牽制しておいたほうが、ゲストもマナー良く滞在してくれるようになるためです。

1-1-4.あらゆる損失を保証してくれるわけではない!貴重品は安全な場所に避難して。

保証金額の最高限度は1億円ですが、しかしあらゆる損失を保証してくれるわけではありません。これらのものは保証対象外です。

  • 現金や有価証券。
  • 貴金属、芸術品、収集品。
  • ペット。
  • 対人賠償。
  • 共有エリアにあるもの。

たとえば高価な絵画などは客室に飾っておくべきではありませんし、リビングに飾っておくのもリスキーということです。

1-1-5.「ホスト保証」活用のために、これだけは知っておいて!

「ホスト保証」は家電の保証などと同じように、しかるべき条件と手順を満たしていないと対応してもらえません。以下の条件だけは覚えておきましょう。

  1. 当該ゲストのチェックアウトから14日以内か、または次のゲストのチェックイン、いずれか早いほうの日までに請求手続きを始めなければならない。
  2. まずはゲストに苦情を伝え、交渉をしなければならない。
  3. 損傷したモノの写真を撮り、証拠提出しなければならない。
  4. 300ドルを超える損害については、警察に被害届を出さなくてはならない。
  5. 領収書や所有者証明書を用意しなければならない。

1-2.「ホスト補償保険」はホストが第三者から損害賠償請求を受けた場合、肩代わりしてくれる。

同じような名前でややこしいですが、「ホスト補償保険」の場合、ホストをというよりも、第三者の損害を補償するものと考えるとわかりやすいでしょう。

第三者が損害を受けたとき、損害賠償請求を受けるのはホストなので、結果的にホストも補償してもらえるということになります。

1-2-1.ホストの過失でゲストが被害を受けても、補償してもらえる。

たとえばホストがルーム清掃のあと、掃除機を廊下の床に置きっぱなしにしてしまったとしましょう。ゲストがその掃除機に躓いて病院に行くほどのケガをしてしまったなら・・・こうした場合にホストが治療費請求をされても、「ホスト補償保険」が代わりに払ってくれます。

1-2-2.ゲストの過失で第三者が被害を受けても、補償してもらえる。

たとえば、ゲストがトイレに異質物を捨ててしまい排水管トラブルが起こり、下階の住宅にも浸水被害が及び、ホストが損害賠償請求されたら・・・このような場合、「ホスト補償保険」が損害賠償請求額を肩代わりしてくれます。

1-2-3.「ホスト補償保険」もやはり、あらゆる損失を保証してくれるわけではない!

「ホスト補償保険」についてもやはり、あらゆるアクシデントを保証しているわけではありません。下記のようなケースでは、保険金は下りないのです。

  1. 意図的な行為。(襲撃・暴行。性的虐待。)
  2. 免逸利益(アクシデントが起きていなければ本来得られるはずだった利益)の補填。
  3. 人格侵害、広告宣伝侵害。
  4. 細菌、真菌。
  5. 中国製石膏ボード(ドライウォール)。
  6. 伝染病。
  7. テロ行為。
  8. 製造物責任。
  9. 公害。
  10. アスベスト、鉛、シリカ。

一般的なゲストによる過失は保証適応内となるので、あまり気にすることはなさそうです。

1-3.Airbnb社から補償を受けるにあたり、加入手続きも掛け金も不要!

この2つの保証の何よりありがたい点は、補償を受けるにあたり、加入手続きをする必要がないばかりか、掛け金を払う必要すらないことでしょう。

「収益があったときに支払っている3%の手数料の一部が、保証の掛け金である」という捉え方もできますが、とはいえわずか3%の金額でここまで保証するのは、見事の一言に尽きます。

2 民間の保険に加入する必要はあるの?

民泊(ホームステイ)の受け入れに必要な保険は?

「ホスト保証」と「ホスト補償保険」、2つのプログラムにより最高1億円もの損失がAirbnb(エアビーアンドビー)社より保証してもらえるわけなのですが、ではその上でさらに、民間の保険に加入する必要はあるのでしょうか?

2-1.ホームステイ型民泊なら、他の保険に入る必要性は低い。

民間の保険に入る必要があるか、その有無について断言することは出来かねますが、ホームステイ型民泊のホストについては、その必要性は低いと言えるでしょう。

2-2.ホームステイ型民泊の場合、ゲストのマナーはおおむね良好。アクシデントが起きても大事になる前に食い止められる。

ホームステイ型民泊の場合、ゲストのマナーはおおむね良好な傾向にあります。ホストという監視者が存在しているため、たとえ客室などホストの見えない空間にいるときでも、多くのゲストはあまりルーズなことはしません。

また、浴室のお湯を出しっぱなしにしてしまうといったケアレスミスについても、ホストファミリーがすぐに気づくことが出来るため、大事(おおごと)に発展する前に食い止められます。

2-3.高価な調度品やコレクターズアイテムがある場合は気を付けて!

一般的にホームステイ型民泊の場合、ホテルのような高価な調度品をしつらえることは少ないはずですが、中にはお金持ちの家庭が貸し出すケースもあるでしょう。また、ジブリグッズやキティちゃんグッズなどの自身のコレクターズアイテムを飾り、集客ツールにしているホストも居るでしょうか。

そういった場合、Airbnb(エアビーアンドビー)社の保証プログラムでは補償してもらえないので、他の保険への加入も検討したほうが良いかもしれません。

3 民間の保険にはどのようなものがある?客観的立場から徹底解説!

民泊(ホームステイ)の受け入れに必要な保険は?

Airbnb(エアビーアンドビー)がお茶の間を賑わせたことにより、様々な民泊関連ビジネスが派生しましたが、保険に関しても同様に、民泊専用のものが登場しはじめています。

  1. 日本初の民泊保険は、三井住友海上の「民泊専用保険」。
  2. 民泊民宿協会の民泊保険はリーズナブル。
  3. 損保ジャパンの「オールインワンパッケージ」は、対象者が限定的。

3-1.日本初の民泊保険は、三井住友海上の「民泊専用保険」。

2016年11月、日本初の民泊専用保険が誕生しました。販売元はジェイピーモバイルですが、保険対応を請け負うのは保険会社大手・三井住友海上です。

民泊関連のサイトの広告バナーで表示されることも多く、民泊関連者が知っている民泊保険は、もっぱらこれではないでしょうか。

3-1-1.火災や落雷による被害など、Airbnb保険の届かない範囲も補償。

三井住友海上の「民泊専用保険」では、火災や落雷による室内設備の破損を基本補償とし、ゲストはもちろんのこと物件オーナーや近隣物件(住民)への損害賠償リスクも請け負います。

3-1-2.認可取得や収益最大化のためのデータ解析など、コンサルティングサービスも充実。

また、損害補償だけでなく、合法民泊へ向けての認可取得アドバイスやトラブル時の外国語通訳サービス、収益最大化のためのデータ解析サービスなども含んでおり、「民泊専用保険」を謳うために趣向を凝らしています。

3-1-3.保険料金は民泊施設の広さによって変わる。

気になる保険料ですが、民泊施設の広さによって掛け金が変わるシステムを取っています。

  • 35㎡まで:年間50,000円
  • 65㎡まで:年間60,000円
  • 100㎡まで:年間75,000円
  • 100㎡以上:個別に見積もり

3-1-4.貴金属の損失やイレギュラーな損害に対応しないのはAirbnbの保険と同じ。

公式サイトでは「民泊運営にかかわるあらゆるリスクをカバーします!」と謳っていますが、注釈を見れば、貴金属の損失やイレギュラーなケースを補償しない旨が記されており、Airbnb(エアビーアンドビー)の保険と同じです。

3-1-5.支払い限度額はむしろ、Airbnbの保険よりも低い?

Airbnb(エアビーアンドビー)の保険は、掛け金が0円であるにも関わらず最高1億円の補償を約束しています。それに対して三井住友海上の「民泊専用保険」の場合、1億円まで補償してくれるのは「近隣の建物への損害を補償する場合」のみ。物件オーナーに対する損害賠償は限度額が3,000万円、ゲストや第三者に対する損害賠償は限度額が5,000万円となっています。

3-2.民泊民宿協会の民泊保険はリーズナブル。

あまり知られていませんが、民泊民宿協会というところも民泊保険を提供しています。この団体は社団法人であるため、掛け金は三井住友海上のものと比べて非常にリーズナブル(1年13,900円+事務手数料3,240円)です。

「会員のみ」と謳っていますが、保険料を支払えば自動的に会員となるため、誰でも入ることが可能ということになります。

なお、株式会社アクシズポイントの提供している保険は、これと同じものです。

3-3.損保ジャパンの「オールインワンパッケージ」は、対象者が限定的。

やはり保険会社大手の損保ジャパンも、「オールインワンパッケージ」という名前で民泊保険に参入しています。

ただしこれは、一般社団法人シェアリングエコノミー協会に加盟している民泊代行業者や清掃代行業者に対する保険であり、一般の民泊ホストが加入することはできません。



民泊スタートアップnaviでは、民泊受け入れで想定される様々な心配事について、その対応策を詳しく解説しています。他にも気になるトラブルがありましたら、同一カテゴリーや画面右の検索窓からお望みの記事を探し、お役立てください。

まとめ。

【Airbnbは掛け金0円で最高1億円もの補償プログラムを用意している!】

  • 「ホスト保証」は、ゲストの過失による損害を補償してくれる。
  • 「保証金」を設定してまずはゲストに弁償させるのが、「ホスト保証」の概要。
  • 「保証金」は高すぎるのもよくない!2万円程度が限界か。
  • 「保証金」で足りない金額を、Airbnb(エアビーアンドビー)社が補填する仕組み。
  • あらゆる損失を保証してくれるわけではない!貴重品は安全な場所に避難して。
  • 「ホスト保証」活用のために、↓これだけは知っておこう。
  1. 当該ゲストのチェックアウトから14日以内か次ゲストのチェックイン、いずれか早いほうの日までに請求手続きを開始する必要がある。
  2. まずはゲストに被害を伝え、交渉をする必要がある。
  3. 破損した物の写真を撮り、証拠提出する必要がある。
  4. 300ドルを超える損害については、警察に被害届を出す必要がある。
  5. 領収書や所有者証明書を用意する必要がある。
  • 「ホスト補償保険」はホストが第三者から損害賠償請求を受けた場合、払ってくれる保険。
  • ホストの過失でゲストが被害を受けても、補償してくれる。
  • ゲストの過失で第三者が被害を受けても、補填してくれる。
  • 「ホスト補償保険」も、あらゆる損失を保証してくれるわけではない!
  • Airbnb社から補償を受けるに辺り、加入手続きも掛け金も不要!

【民間の保険に加入する必要はあるの?】

  • ホスト同居型民泊なら、他の保険の必要性は低い。
  • ホスト同居型民泊の場合、ゲストのマナーはおおむね良好で、トラブルが起きても大事になる前に食い止められるため。
  • 高価な家具やコレクターズ品がある場合は気を付けて!

【民間の保険にはどのようなものがある?客観的立場から徹底解説!】

  1. 日本初の民泊保険は、三井住友海上の民泊専用保険。
  2. ・落雷による被害など、Airbnb保険の届かない範囲も補償。
    ・認可取得やデータ解析など、コンサルティングも含む。
    ・料金は民泊施設の広さによって変わる。35㎡まで:年間5万円。65㎡まで:年間6万円。100㎡まで:年間7.5万円。100㎡以上:個別に見積もり。
    ・貴金属の損害やイレギュラーな損害に対応しないのはAirbnb保険と同じ。
    ・支払い限度額はむしろ、Airbnb保険よりも低い。

  3. 民泊民宿協会の民泊保険はリーズナブル。
  4. 損保ジャパンの民泊保険は、一般ホストは加入できない。

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