昨今日本では、農業などの自然体験を伴う宿泊レジャーが、ちょっとしたブームになっています。メディアからのこうした情報を受けて、地域ぐるみで農家民泊の受け入れ体制を整えようとしている行政は数知れません。

農家民泊はたしかに、農家や漁家にとって、気軽に副収入を得られる事業であり、自治体としても観光客や移住者の流入、知名度アピールにつながるなど、たくさんの恩恵を秘めています。そのため、あちこちが賑やかになるのも無理はないでしょう。なおかつ、西暦2000年を過ぎたころからは規制緩和の追い風もあり、農家民泊は地方創生の密かな救世主です。

農家民泊は、自治体からの勧めで参入を検討される農家さんが多いようですが、自治体の言うことをそのまま鵜呑みにするのはあまり賢明ではありません!当サイトは第三者的立場から、農家民泊の特色や受け入れについて、解説しましょう。

1 農家民泊と農家民宿は同じもの?違いをしっかり理解しよう。

民泊

「農家民泊」というキーワードでインターネット検索をかけてみると、実は、「農家民宿」に関するページばかりがヒットします。とても似たような言葉なので、気づかないまま、または「同じものだろう」と思い込んだまま読み進めてしまうと、認識がまったくズレてしまう懸念がありますから、くれぐれもご注意を!

この2つの違いを簡潔に言えば、このような感じです。

農家民泊→宿泊施設を兼ねた農家。
農家民宿→農家を兼ねた宿泊施設。

それではもう少し詳しく、解説していきましょう。

1-1.農家民泊とは、宿泊施設を兼ねた農家のこと。

農家民泊とは、「民泊」の言葉のとおり、普通の民家で宿泊受け入れするものを指します。農家の家で受け入れをするから、「農家民泊」ですね。巣立っていった子供さんやお孫さんを泊めたことがあるとは思いますが、それと同じような感覚で他者を受け入れるものです。特別な施設は何も必要なく、特別なおもてなしも何も必要ありません。

1-2.農家民宿とは、農家を兼ねた宿泊施設のこと。

対して、農家民宿はどうでしょうか?こちらは、「民宿」の言葉が付くとおり、宿泊施設の1つとして、しっかりとした基盤を持っているものを指します。

宿泊施設を営業するには旅館業法の許可を取る必要がありますが、つまり農家民宿の場合、そうした諸々の手続きが必要です。もちろん、書類を書いて出せば良いというわけではなく、建物の広さや衛生設備、防災設備などが整っていなくてはなりません。

農家民宿のほうが農家民泊よりも、宿泊客受け入れのハードルが高く、お金が掛かると言えます。

1-3.農家民泊と農家民宿に共通するのは?農業などの体験を提供すること。

農家民泊と農家民宿に共通しているのは、ただ宿泊者を受け入れるだけでなく、農業や干し柿作りなどの職業体験または自然体験を提供することです。

とはいえ、提供される体験は農業に限ったものではありません。「農家民泊」というのは便宜上の表現に過ぎず、厳密には漁家や林業家、酪農家などによる受け入れも含まれます。

1-4.農家民泊と農家民宿、人気があるのはどっち?農家民泊のほうが好感度高し。

農家民泊と農家民宿、人気はどちらが高いのでしょうか?実情では、農家民泊のほうがニーズが高く、また、利用者の好感度は高いようです。

基本的に日本人は、設備のしっかりしたものを好みますし、資格のはっきりしたものを好みます。その観点から言えば農家民宿のほうが人気を得そうですが、なぜかこの分野においては、農家民泊に軍配が。農家民泊に求めるものは、事業としての信頼性や几帳面さよりも、「普通であること」「リアルであること」であると言えましょう。

しかし、各地の地方自治体が起業を促しているのは農家民泊よりも農家民宿のほうが圧倒的に多く…?この食い違いについては後ほど取り上げますから、トピック≪行政の絡んだ「農家民宿商法」に要注意!≫をご参照ください。

1-5.民宿ゆえのデメリットもあるので要注意!

基本的には、農家民宿のほうが手間とお金が掛かっていて審査も厳しいゆえ、できることも多くなります。しかし、旅館業法に則るゆえのデメリットも!

1-5-1.ゲストと一緒に料理をすることができない?

まず、食品衛生法を順守して体験プログラムを営む場合、キッチンをゲストに開放することができません。ということは、郷土料理を一緒に作ったり獲ってきた魚をすぐに一緒にさばくといったことが、出来なくなってしまうのです。

1-5-2.ゲストと同じ空間で生活することができない?

また、トイレやリビングなどはゲスト専用の場所を提供しなければならないので、すると田舎体験特有の「一般人の生活を垣間見る・共有する」ということの提供がとても難しくなるでしょう。

2 農家民泊で受け入れをするメリットは?

民泊

では、農家民泊がもてはやされた理由というのは何だったのでしょうか?農家や漁家にとって、宿泊客の受け入れにはどんなメリットがあるのか、当トピックで解説していきましょう。ざっと挙げれば下記の5項目に箇条書きできます。

  1. 副収入の手段として、とても手軽!
  2. 農村地域・過疎地域の活性化につながる。
  3. 人との交流がうるおいと活気をもたらす。
  4. 若い人や都会人に農業を知ってもらうことができる。
  5. 人情や交流のすばらしさを知ってもらうことができる。

2-1.副収入の手段として、とても手軽!

一般的に、収入を増やしたい、事業を始めたいと思った時には、何か資格の勉強をしたり技術の習得に励まなければなりませんよね。しかし農家民泊の場合、その必要がないのです!あなた方は、米作であれ野菜作りであれ、炭焼きであれそば打ちであれ、普段営んでいる本業のスキルを、そのまま活かすことができます。初心者にレクチャーする、体験をさせてあげる程度のものですから、地域で一番の技術者である必要もありません。

また、宿泊の受け入れも事業内容の1つに含まれますが、これも肩肘張る必要はないのです。親戚を泊めるときのように、一室に清潔な布団を敷いてあげればそれで充分で、もちろん、離れを増築するような必要性もなく、とにかく手軽に営めます。

なお、農家民泊の相場は、1泊2食付きで1人あたり7,000円程度となっており、4人家族の来客なら1日で30,000円近い収入に。

2-2.農村地域・過疎地域の活性化につながる。

農村地域や山間部、第一次産業を主業とするような地域では、過疎化や停滞が深刻な問題となっていることが少なくありませんよね。農家民泊を営み、特に地域ぐるみで大規模に受け入れている場合、多くの人がその地域に足を運び、お金を使ってくれたり地域のことを知ってくれたりします。これが地域の活性化に繋がり、農家民泊での好印象がキッカケで移住を決断したという例も多々あるのです。

2-3.人との交流がうるおいと活気をもたらす。

そうした活性的なメリットは、地域規模によるものだけではありません。お孫さんが遊びにくるときは気分がウキウキしたり、ちょっと上等な服でおめかししたくなるように、農家民泊のゲストを受け入れることが、民泊ホストの人々の生活に活気をもたらすでしょう。

おしゃべりをする機会は増え、自慢の手料理を喜んでもらえる回数も増え、友人も増え、生活はとても充実します。

実は、これを目的に農家民泊を営んでいる人がとても多いのです!

2-4.若い人や都会人に農業を知ってもらうことができる。

農家を営む人の中には、日本の農業の行く末を心底案じている人も少なくないことでしょう。農家民泊として第三者を受け入れることは、若い人や都会人に、農業を知ってもらう機会を作ることができます。これは、農業離れと都市志向の深刻な日本にとってはとても重要なことで、だからこそあちこちの自治体が、農家民泊の運動を活性化させているのですね。

2-5.人情や交流のすばらしさを知ってもらうことができる。

農家民泊と言えば農業体験や自然体験がウリと思われがちですが、実は、田舎地域のおじいさん・おばあさんが持つ独特の人情や暖かい交流が、とても価値あるものとして評価されているのをご存じですか?

農家民泊をやるうえでは、無理して都会人や若者に迎合する必要はなく、むしろありのままの文化や言動を見せてあげることが、かけがえのないものとしてとても喜ばれるでしょう。方言などもどんどん聞かせてあげてください。

3 【徹底解説!】国家ぐるみの規制緩和で、農家民宿の敷居は下がっている!

民泊

日本政府も、地方の活性化や第一次産業従事者の保護には積極的です。農家民宿に関しても、2003年から段階的に規制緩和が検討され、参入のハードルはどんどん低く、容易になってきていますよ。驚くことに、旅館業法のみならず、道路交通法や旅館業法までが農家民泊の規制緩和のために働きけてくれています。

  1. 2003年、旅館業法上の客室面積規制の撤廃。
  2. 2003年、宿泊者の送迎輸送の規制緩和。
  3. 2003年、農家民宿が行う体験ツアーの販売を、旅行業法から除外。
  4. 2005年、農業生産法人の業務の1つとして民宿経営が認められる。
  5. 2007年、建築基準法上の内壁規制の撤廃。
  6. 2007年、消防用設備に関する規制の緩和。

これだけではわかりづらいので、各項目を詳しく解説しましょう。

3-1.2003年、旅館業法上の客室面積規制の撤廃。

従来の法案→客室は33平方メートル(約20畳)以上なくてはならない。
規制緩和後→農家民宿なら33平方メートル以下でもかまわない。

簡易宿所の1つである民宿を経営する場合、従来は、33平方メートル(約20畳)以上の客室面積が必須とされていました。しかし、2003年4月1日から旅館業法が改定され、農林漁業家が民宿を行う場合に限っては、33平方メートルに満たない客室面積でも簡易宿所営業の許可申請が可能となっています。

「33平方メートル」という数字をわかりやすく噛み砕きましょう。従来までは、8畳間が1部屋と6畳間が2部屋(≒計20畳)、それくらいは最低でも客室として開放しないと営業できなかったものが、6畳1室でも営業することができるようになったのです。これならどこの農家でも可能ですよね。

3-2.2003年、宿泊者の送迎輸送の規制緩和。

従来の法案→宿泊客を送迎することは「白タク」に該当するため違法。
規制緩和後→農家民宿のサービスの一環なら、宿泊客を送迎してかまわない。

従来までは、農家民宿の従業員が宿泊客を車で送迎することが、「白タク」に該当するとみなされ禁止されていました。しかし、2003年3月28日に通知された道路運送法の改定によって、「宿泊サービスの一環として農家民泊の行う送迎輸送は、道路交通法違反に当たらない」と規制緩和されています。

ただし、送迎客から料金を徴収したり、送迎を利用する客としない客との間に宿泊料金差がある場合は、違反とみなされるので注意が必要です!

宿泊者の送迎に法的規制があったことに驚きですが、こんな細かい部分においても農家民宿のために規制緩和が検討されているのは、喜ばしいことですね。

3-3.2003年、農家民宿が行う体験ツアーの販売を、旅行業法から除外。

従来の法案→農業体験ツアーの販売・宣伝は旅館業法に抵触する。
規制緩和後→農家民宿が自ら提供する宿泊に、農業体験を付加してもかまわない。

従来までは、農家民宿が行う各種農業体験・自然体験ツアーの販売・宣伝が、旅行業法に抵触するものと判断され、違法扱いされていました。しかし、2003年3月28日通知の旅行業法改定により、「農家民宿が自ら提供する宿泊サービスに農業体験を付加して販売・宣伝することは旅館業法に抵触しない」と規制緩和されています。

従来も、旅行業法違反として摘発されるような農家はほとんど存在していなかったようですが、「グレーゾーンだ!」と揶揄されながら後ろめたく営むよりも、合法と認められたうえで胸を張って営めるほうが気持ちよいですよね。

3-4.2005年、農業生産法人の業務の1つとして民宿経営が認められる。

従来の法案→農業生産法人の仕事として民宿経営は認められない。
規制緩和後→農業生産法人は、事業の一環として民宿を営んでもかまわない。

従来は、民宿などの経営は、農業生産法人の行う農業関連事業の範囲外とみなさていました。しかし、2005年9月1日に通知された農地法の改定で、農作業体験施設の設置・運営や民宿を経営することが、合法のもとで可能となっています。それまでは、農業生産法人を名乗る人の営む関連事業の範囲は、農畜産物の貯蔵・運搬、販売、資材製造、農作業受託に限定されていたのです。

これはつまり、学校の教員が副業を禁止されていたものが、家庭教師や塾の講師を掛け持っても良いと認められるのと同じようなことでしょう。

3-5.2007年、建築基準法上の内壁規制の撤廃。

従来の法案→囲炉裏や茅葺き屋根のある家屋を民宿利用するなら、防火加工が義務。
規制緩和後→小規模の民宿であり避難上支障がないなら、内装加工は不要。

従来までは、農家が囲炉裏や茅葺き屋根のある自宅を民宿利用する場合、火災時の延焼を防ぐための内装加工が義務付けられていました。しかし、2007年1月19日通知の消防法改定からは、小規模の民宿であり避難上支障がなければ、内装加工は義務とされません。

古民家などを用いた宿やカフェに妙な違和感があったのは、内壁に最近の技術で防火加工が施されていたからなのですね。安全面から言えば良いことですが、風情の面ではやはり、昔ながらの自然な状態の家屋をお目にかかりたいものです。その自由が許されたことは、利用者側としても喜ばしいことと感じられます。

3-6.2007年、消防用設備に関する規制の緩和。

従来の法案→農家民宿においても消防用設備の設置は義務。
規制緩和後→消防長または消防署長の判断によっては誘導灯は不要。

従来までは、農家民泊においても、通常の民宿と同じ消防用設備等の設置が義務付けられていました。しかしこれも、2007年1月19日付けの消防法改定により、地元の消防長または消防署長の判断によっては、誘導灯を設置しなくても良いと緩和されています。これも、「民宿が小規模であり避難上支障がないならば」といったことが条件です。

誘導灯とは、大型商店や商業施設でよく見かける「非常口」の緑のパネルのこと。これも、安全面から言えばとても大切なものですが、たとえばディズニーランドのアトラクションの中でこの緑のパネルを見かけると、雰囲気が台無しだなと感じてしまいますよね。農家民宿も風情が持ち味ですから、このようなパネルは目にしたくないものです。

4 自治体ごとに進む、農家民泊の規制緩和。

民泊

次は、農家民泊における規制緩和の状況をお話ししましょう。

トピック≪農家民泊とは、宿泊施設を兼ねた農家のこと。≫で触れたように、農家民泊の場合、旅館業法の規制を受けないために非常に気軽に営むことができます。しかしこれは、宿泊する側から見れば、クオリティにばらつきが出てしまう懸念が…。あまりにも粗悪な農家民泊が出現してしまうことを防ぐため、各地方の自治体は、独自に農家民泊の基準や資格、毎年受講が義務付けられる講習などを設けているのです。

4-1.実質的には民宿と同等な規定の自治体が多く…。

本来、農家民泊は、旅館業法の規制は受けずに済むものでした。しかし、各地の中学・高校などが修学旅行や校外学習に農家民泊を利用するようになってきたことなどから、農家民泊をとりまとめる協会は、地域で独自の規定を設けるようになってきています。協会や学校側としては、やはりどうしても、一定のクオリティを確保したいゆえですね。

その規定には、消防局からの認定であったり、食品衛生管理資格の取得、またはそれに類する講習を毎年1回ずつ義務付けるようなものが多いです。結局のところ、民宿を運営するのと同じようなハードルを越えなければならないことも…。

4-2.農家民泊特有の「宿泊料金は徴収できない」ルール。

Airbnb(エアビーアンドビー)をはじめとした普通の民泊では、素泊まりの利用客からも普通に宿泊料金を徴収しています。しかし農家民泊の場合、あくまで「体験プログラムの指導料や食事代」という名目でしかお金を取ることが許されていません。また、反復して受け入れしてはならないため、各地方の協会も、年間3回までなどと制限をしていました。これではあまり多くの収入を得られないのです。

4-3.民間が推し進めた農家民泊の規制緩和。

このように、農家民泊は農家民宿よりも手軽な反面、多くの収益を得るのは難しいところがあり、そのため、受け入れ農家もなかなか増えてこない実情がありました。

しかし近年、この動きが変わってきています。「とまりーな」のような民間の農家民泊仲介機関が登場したことで、行政の民泊協会に属さない農家民泊が増えてきたのです。さらに、これらのフリーランスな農家民泊に顧客を奪われないようにするために、行政の民泊協会もまた、農家民泊の規制緩和を進めています。

つまり、行政の民泊協会に属するにせよフリーランスで営むにせよ、農家民泊の経営のハードルは下がってきていると言えそうです。

4-4.体験プログラムの幅も広がっており、農林水産業に限らない。

つい数年前までは、農家民泊と言えば提供する体験プログラムは農業がもっぱらで、そうでなくても漁業や林業、畜産業のほぼ4分野に限定されていました。しかしこれに関しても、近年はずいぶんと緩くなり、バラエティに富むようになってきています。

たとえば、干物や漬物、お味噌などの手作りは、農業を引退した家庭でも続けているかもしれません。これらの手作り作業も体験プログラムとして好評なので、農家民泊にエントリーができそうです。

他には、伝統工芸品や伝統芸能も人気が高いコンテンツと言えます。田んぼに囲まれた自然地域でなくても、運営できるでしょう。

さらに、川遊びやホタル観賞、里山歩きといったものも体験プログラムに該当されるところがあるため、第一次産業のスキルや環境がまるでなくても、どうにかなってしまいそう。

5 行政の絡んだ「農家民宿商法」に要注意!

民泊

昨今、日本各地の様々な地域で農家民宿が拡大していますが、それを主導しているのは多くの場合、行政や非営利団体の営む推進機関です。彼らが草の根をかき分けるように各地の農家を熱心に口説いてまわるのは、地域の活性化を心底願っているから…という誠実な理由ばかりとは限りません!

5-1.リフォーム会社と行政機関との間に癒着が起きていることが!

農家民宿を経営するためには、ほとんど100パーセント近い農家が、自宅をリフォームする必要性があります。少なくとも数十万円、多ければ100万単位のお金が動くため、リフォーム会社にとっては非常に「甘い汁」なのです。

それゆえ、強欲なリフォーム会社が行政に対し、「地域活性や農家救済の名目で農家民宿を増やそう!そのためにリフォームをさせよう!」と癒着を持ち掛けることがあります!

地域ぐるみで農家民宿を増やしているということは、それだけライバルが多いということ。いくら去年の収支レポートが大繁盛であるとしても、あちこちの農家が民宿をはじめてライバルが増えるなら、個々の農家はそれほどお客が入らなくなってしまうのです…。リフォームの借金ばかりが残ることに…。

ですから、農家民泊の勧誘をしてきたのが行政であっても、うかつに信頼しないようにしてください。

5-2.非営利団体とて誠実とは限らない!

次は、農家民泊推進や町おこしの非営利団体の悪徳ケースです。非営利団体と言えば、人道的な目的で活動を行う無欲な人々というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません!

非営利法人を立ち上げる場合、その運営資金が行政から支給してもらえたり、募金で集まったお金が支給してもらえたりします。そうしたお金で、善人の仮面をかぶりながら収入を得ようと目論む人々が世の中にはいるのです。非営利団体といえども、必ずしも誠実な人だと思い込まないようにしましょう。

5-3.「儲かるとは限らない」を必ず念頭に置いて検討しよう。

とにかく農家民泊にしても農家民宿にしても、収益があれば支出もあるのです。これらのビジネスをプレゼンテーションしてくる人々は、グラフやデータを見せながら「こんなに儲かるんです!」と胸を張りますが、およそあらゆる起業家の人々が、そのようなデータに基づいて起業すれど、ほとんどが失敗に終わっているのですよね…。

農家民泊や農家民宿においても、大きく成功しているのはやはり、もともとビジネスの才覚を強く持つような人々ばかりです。

あまりビジネス感覚を持っていない農家さんの場合は、「儲かるとはかぎらないな」ということを念頭においたうえで、農家民泊や農家民宿を検討しましょう。リフォームなどの先行投資額が大きい農家民宿は特に、注意してくださいね。

基本的に、ビジネスというよりも、「若い人たちが遊びにきてくれたらそれだけで楽しい」と感じられるような人に、民泊は向いていますよ。ビジネスの上手な人の営む施設よりも、こうした人情的な人の営む民泊のほうが、利用者にも喜ばれています。

民泊スタートアップnaviでは、農家民泊はもちろんのこと、様々な民泊に関する情報をどこよりも詳しく、そしてわかりやすく解説しています。農家民泊に関する記事は他にもありますから、トップページからお探しのうえ、ご活用ください。

まとめ。

kaigraphick / Pixabay

【農家民泊と農家民宿は同じもの?違いをしっかり理解しよう。 】

  1. 農家民泊とは、宿泊施設を兼ねた農家のこと。子供や孫を泊める感覚で、気軽に受け入れることができる。
  2. 農家民宿とは、農家を兼ねた宿泊施設のこと。旅館業法に則って設備整備が必要で、資金もかなりかかる。
  3. 農家民泊と農家民宿に共通するのは?宿泊だけでなく、農業や自然遊びなどの体験プログラムを提供すること。
  4. 農家民泊と農家民宿、人気があるのはどっち?「普通の家庭を体験したい」という目的が強いため、農家民泊のほうが好感度高し。
  5. 民宿ゆえのデメリットもあるので要注意!食品衛生法を遵守するなら、ゲストと一緒に料理はできない。旅館業法を遵守するなら、家主と同じ空間で生活してもらうことができない。

【農家民泊で受け入れをするメリットは?】

  1. 副収入の手段として、非常に手軽!今ある環境とスキルで副収入が得られる。
  2. 農村地域・過疎地域の活性化につながる。農家民泊をきっかけに移住してくる人も。
  3. 人との交流が農家の人々にもうるおいと活気をもたらす。これを目的に農家民泊を営む人も多い。
  4. 若い人や都会人に農業を知ってもらうことができ、日本の農業の未来に役立つ。
  5. 現代日本人の忘れがちな人情や交流のすばらしさを、知ってもらうことができる。

【農家民宿に対する規制緩和を徹底解説。】

  1. 2003年頃から、国家規模での規制緩和が進んでいる。主なものは下記のとおり。
    (1)2003年、旅館業法上の客室面積規制の撤廃。
    従来の法案→客室は33㎡(約20畳)以上なくてはならない。
    規制緩和後→農家民宿なら33㎡以下でもかまわない。つまり、6畳1間でもOK。
    (2)2003年、宿泊者の送迎輸送の規制緩和。
    従来の法案→農家民宿が宿泊客を送迎することは「白タク」に該当するため違法。
    規制緩和後→農家民宿のサービスの一環なら、宿泊客を送迎してもかまわない。
    (3)2003年、農家民宿が行う体験ツアーの販売を、旅行業法から除外。
    従来の法案→農業体験ツアーの販売や宣伝は、旅館業法に抵触し、違法となる。
    規制緩和後→農家民宿が提供する宿泊に、農業体験を付加してもかまわない。
    (4)2005年、農業生産法人の業務の1つとして民宿経営が認められる。
    従来の法案→民宿経営は農業生産法人の仕事としては認められない。
    規制緩和後→農業生産法人は、事業の一環として民宿を営むことが認められる。
    (5)2007年、建築基準法上の内壁規制の撤廃。
    従来の法案→囲炉裏や茅葺き屋根のある家屋を民宿に利用するなら、防火加工は義務。
    規制緩和後→小規模の民宿であり避難するのに支障がないなら、内装加工は不要。
    (6)2007年、消防用設備に関する規制の緩和。
    従来の法案→農家民宿であっても、消防用設備の設置は義務。
    規制緩和後→消防長または消防署長の判断によっては、誘導灯の設置は不要。

【曖昧ながらも進む、農家民泊に対する規制緩和。】

  1. 農家民泊の業界は、実質的には民宿と同等な規定の自治体が多い。消防局の認可や食品衛生管理の資格が求められたりする。
  2. 農家民泊は長年、「宿泊料金は徴収できない」「反復受け入れはできない」というルールに縛られていた。
  3. 民間の農家民泊仲介サイト「とまりーな」の登場によって裾野が拡大し、規制緩和が進んでいる。「とまりーな」経由なら一般農家のままでもほぼ経営できる。
  4. 体験プログラムの幅も広がっており、農林水産業に限定されない。食品加工や伝統工芸、伝統芸能、自然遊びなどでも可能。

【行政の絡んだ「農家民宿商法」に要注意!】

  1. 行政機関とリフォーム会社との間に癒着が起きていることがある。リフォーム会社の儲けのために農家民宿の勧誘がなされることも。
  2. 非営利団体とて誠実とは限らない!社会的な活動をしていれば税金から支援が受けられるから、という理由で営んでいる者たちがいる。
  3. ビジネスが得意でない農家さんは、「儲かるとは限らない」を必ず念頭に置いて検討しよう。先行投資の大きな農家民宿は特に注意と覚悟が必要。

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