副収入の獲得や生きがい創造のために、農家民泊の営みを検討している農家さんは少なくないことでしょう。そうして、インターネットで「農家民泊」と検索してみると…

「おいでやす。京都の農家民宿。」
「あなたも始めよう!農家民宿。」

といったページに数多く当たります。…あれ?農家民宿??

そうなのです。「農家民泊」と検索しても、「農家民宿」についてのサイトがヒットすることが多いのですよね。いったい、農家民泊と農家民宿というのはどう違うのでしょうか?どのような共通点があるのでしょうか?

当ページでは。農家民泊と農家民宿の違いについて、また、各々の経営を行うにはどうすれば良いかについて、徹底解説していきます。

1 農家民泊と農家民宿ってどう違うの?

民泊

まずは、農家民泊と農家民宿の違いについてを解説しますので、くっきりイメージ分けできるよう理解してくださいね。あなたが営みたいのはどちらでしょうか?開業のための手続きや経費はずいぶん異なりますから、違いを予め把握しておくことが大切です。

1−1.まずは共通点を。「農業体験の提供できる宿泊施設」が農家民泊&農家民宿。

最初に、共通点について解説しましょう。

農家民泊と農家民宿に共通する点は、「農業体験を宿泊者に提供する宿泊施設」と定義できます。厳密に言えば漁業でもよく、郷土料理のレクチャーや乗馬体験でもかまわないのですが、とにかく何かしらの自然体験プログラムを、ゲストに提供することが必須です。そのため、「グリーン(=自然)ツーリズム」と呼ばれているのですね。

もしあなたの家が農家であっても、農業体験などは提供せず単純に宿泊だけを提供したいと考えているならば、それは単なる「民泊」です。それはそれでかまわないことですが、当ページの主題ではありませんから、他のページを読んでみてくださいね。

1−2.参入がカンタンなのは、ダントツで農家民泊のほう。

さて、それでは農家民泊と農家民衆の違いを解説してきます。まずは参入のハードルについて。

ビジネスを始めるには、資金の調達や書類手続きなど頭の痛いことがたくさん関わってきますが、なるべくシンプルに済ませたいなぁと、誰もが思いますよね。そうした観点から言えば、参入がカンタンなのは、ダントツで農家民泊のほうです。

1−2−1.農家民宿は旅館業法や食品衛生法などいくつもの許可が必要。農家民泊は不要。

農家民泊→旅館業法や食品衛生法をはじめ、いくつもの許可取得が必要。
農家民宿→基本的に法的な許可申請は不要。地域の行政が定めている場合はそれに従う。

農家民宿は、「民宿」と付くとおり、民宿施設の一種となります。通常の民宿よりは規制が緩いのですが、それでもやはり、旅館業法や食品衛生法など様々な許可申請が必要なのです。

許可を得るということは、それ相応の規定を満たしていなければなりません。たとえば、ほとんどの農家さんでキッチンの改装が必要になるでしょうし、トイレも増築しなければならないでしょう。改装にも許可申請にも、お金が掛かります。

農家民泊の場合、こうした許可申請は必要ありません。改築も、基本的には必要ないと考えて大丈夫です。ただし、地域によって農家民泊の条例がまちまちで、お住まいの市町村によっては農家民宿並みの許可申請や整備が必要になるでしょう。

農家民宿の開業に必要な許可申請については、トピック≪各種の届け出を済ませよう。≫で詳述します。

1−2−2.1泊の単価が高いのは農家民宿。農家民泊は宿泊代金が取れない…。

農家民泊→宿泊料金の名義でお金を取れない。1人1泊5,000〜7,000円。
農家民宿→食事と体験プログラムの料金を含め、1人1泊7,000〜10,000円。

1泊あたりの単価を大きくしやすいのは農家民宿のほうです。設備がしっかりしていますから、当然ですよね。素泊まりでも1人1泊3,000〜5,000円、食事と体験プログラムが付けば1人1泊7,000〜10,000円くらいが相場になります。

農家民泊の場合、旅館業法の許可を得ていないため、「宿泊料金」という名目ではお金が取れません!「食事代」や「体験プログラムの指導料」の名目で代金を得られますが、1泊の総額としては農家民泊より2,000〜3,000円ほど安めの相場に。また、農家民泊は反復してお客を受け入れることが許可されていません。「時々なら良いよ」というものなのです。

ただし、宿泊料金徴収の禁止や反復受け入れ禁止は、ほとんど守られておらず、咎められていないのが現状…。完全に法律を順守して営むか、ざっくりと営むかは、農家さん個々の判断にお任せします。

1−2−3.集客の間口が広いのは農家民宿。

農家民泊→集客は地域の農家民泊サイトがもっぱら。または民泊用の民間サイト。
農家民宿→地域の農家民泊サイトに加え、Yahooトラベルなど一般のホテル検索サイトでも集客が可能。

集客手段が豊富なのは、農家民宿のほうです。一般的に農家民宿は、地域の農家民泊推進団体などの統括するホームページやパンフレットが集客の窓口に。または、宿泊営業許可証があれば、Yahooトラベルやじゃらんなどといった一般的なホテル検索サイトにも掲載することができますよ。

対して農家民泊の場合、正規の宿泊施設ではないため、Yahooトラベルやじゃらんなどの一般的なホテル検索サイトに登録することはできません。民泊でも登録が可能なものとしては、Airbnb(エアビーアンドビー)やAgoda(アゴダ)が挙げられます。

ただし、農家民泊の場合、中学高校の修学旅行という大口のお客さんから人気が高いため、あなたの地域の農家民泊協会がどこかの学校と提携を結べられたなら、かなり賑やかになるでしょう。

1−2−4.経費が掛かるのは圧倒的に農家民宿。

農家民泊→タオル代、シーツ代、食材の実費くらいでほとんど経費はかからない。
農家民宿→リフォームに数十万〜数百万円。許可申請にも数万円。その維持費が毎月かかる。

先行投資にしても毎月のランニングコストにしても、経費が多く掛かるのは圧倒的に農家民宿のほうです!この点は充分に注意してください!なにぶん家屋の改修が必要になってくるケースがほとんどなので、まず先行投資に数十万円から数百万円は掛かります。そして、立派な設備やサービスを掲げるほど、それを維持するための毎月のランニングコストもかさんでしまう…。

農家民泊の場合、空いている部屋があるなら今の家屋のままでも経営が可能なので、初期費用はほどんど掛かりません。バスタオルやシーツなどは新しいものを用意したほうがよさそうですが、それでも数万円といったところでしょう。月々のランニングコストについても、食材や体験プログラムの実費がかかる程度のものです。

1−3.人気があるのは農家民泊のほう。

農家民泊→「ありのまま」が功を奏して、需要も満足度も高い。
農家民宿→設備やサービスにお金がかかっているわりに、あまり人気はない。

農家民宿のほうが設備がしっかりしていますから、人気が高いかと思いきや、世間の声はそうでもありません!多くの人たちにとって、農家体験に求めるのは「素朴さ」「普通さ」「人情」であるようで、すると、より普通の農家らしい農家民泊のほうが、需要も満足度も高くなっています。前述のとおり、学校の修学旅行に採用されているのももっぱら農家民泊のほうです。

農家民宿の場合、建物やサービスに独自性を出し、自力で人気を獲得していくのが繁盛への近道でしょうか。また、農家民宿サイトでは、あえて「農家民泊」という名称を使っていることも少なくありません。

1−4.ストレスが少ないのは農家民泊のほう。

農家民泊→「お客さんは家族」のイメージなので気楽。赤字に苦しむこともない。
農家民宿→「お客様は神様」の精神できっちり接客しなければならない。赤字の懸念も。

経営に掛かるストレスが多いのも、農家民宿のほうです。宿泊者はどうしても、「民宿」を冠する宿泊施設に対してはそれなりにクオリティを期待します。ホテルや旅館と同じように礼儀正しくあいさつをしたり、配ぜんやベッドメイクなどもお客さんに触らせるわけにはいきません。「お客様は神様」の精神で接する必要があるのです。

また、先行投資が多く掛かっているため、どうしても収益の確保・向上に苦心しなければならなくなります。そのわりに農家民宿の景気はあまりよくないので、かなり苦労をするでしょう。

農家民泊の場合、お客さんはあまり甲斐甲斐しいサービスを求めてはいません。「サービス」よりも「交流」を求めており、「ちょっと庭木の剪定を手伝ってよ」「一緒に料理つくろうか」などと誘われることをむしろ喜ぶので、ゆったりした気持ちで接客ができます。「お客さんは家族」「孫が遊びにきたイメージ」でもてなすのが、農家民泊です。

1−5.注意が必要なのは、圧倒的に農家民宿のほう!

農家民泊→だまされることもなく赤字もないので、あまり注意は要らない。
農家民宿→行政の利権に振り回されてしまうことが!赤字の懸念も大きく注意が必要。

経営参入の際に注意が必要なのは、圧倒的に農家民宿のほうです。上記のとおり、農家民宿はそれなりにお金がかかり、かといって消費者のニーズはそんなに高くないので、赤字の懸念が常に続くでしょう。よほどビジネス手腕のある人や、赤字をこうむってでも地域の活性化に、農業の活性化に貢献したいと願う人向きと言えます。

こんなに険しいのに、各地域の行政や振興団体が企画するのは「農家民宿」のプロジェクトばかり…。なぜなのでしょうか?

経済を考える人にとって、重要なのは「お金が動くこと」なのです。農家さんが農家民宿を営むなら改修や申請にお金が動くので、農家民宿のほうをやりたがる行政が多くなります。各農家さんが黒字を続けられるかということをあまり配慮していない(配慮が口先だけな)行政が多いので、勧誘された際には充分に注意し、充分に検討を重ねましょう。

2 農家民泊の始め方を徹底解説!

民泊

このトピックでは、農家民泊を営む際のノウハウについて特集します。「農家民宿」
のほうについては次のトピックで特集しますから、お望みのトピックのほうをお読みください。

2−1.まずは行政を訪ね、情報を仕入れてこよう。

お住まいの役所を訪ね、民泊推進団体のようなものが存在するか聞いてみましょう。役所が持っている場合もありますし、NPO団体などが企画していることもあります。

そうした団体が、農家民泊を営むうえでの基準や手続きを決めていることが多いので、その条件を確認してください。基準も手続きもそう難しいものではないはずですが、地域によっては農家民宿並みに厳しく、消防局の許可を取ったり食品衛生管理者の資格を取る必要があることも。

2−2.農家を民泊客向けに整えよう。そう難しいことはない。

次は、お住まいを民泊客向けに整えましょう。リフォームなど大掛かりなことは、基本的には不要です。むしろ、あまりいじらないほうが良いとさえ言えます。「ありのままの農家」を、お客さんは期待していますよ。

6畳一間が空いていれば、それで客間は充分です。人数分の布団が敷けるなら、苦情は出ないでしょう。昔お子さんが使っていた生活感の残る部屋でもかまいません。

外国人客の受け入れを狙うなら、英語に対応する必要があります。お風呂場のドアには「Bath room」のプレートを掲げておきたいですし、門限や禁煙などのルールも英語で表記してあげましょう。また、外国人客は無料Wi-Fiを強く欲していますから、できれば導入しておきたいところ。月額3,000円くらいの経費で設置は可能なので、パソコンに詳しいお子さんなどに尋ねてみてください。

2−3.体験プログラムを考えよう。季節や天候に合わせて複数のものを。

農家民泊ですから、体験プログラムを用意しなくてはなりません。基本的に、あなたが普段行っている、得意とするものを提供すればOKです。ただし、天候や季節の変化を考慮して、複数のものを用意しておくことが重要!体験プログラムは、1コマ2時間前後とするのが一般的。体験プログラムにできそうなコンテンツには、たとえばこのようなものがあります。

農業体験:田植え、稲刈り、果実の収穫など。
自然体験:里山ハイキング、ホタル鑑賞、川遊び、魚のつかみ取りなど。
料理体験:郷土料理教室、干物や漬け物、発酵食品の加工など。
自作体験:昔のおもちゃ作り、草木染め、伝統工芸体験など。
林業体験:間伐、木炭作り、薪割りなど。
酪農体験:牛や鶏の世話、乳しぼりや卵の採集、乗馬など。
漁業体験:船舶漁に連れていく、一本釣り、魚のつかみ取りなど。
伝統芸能体験:舞妓さんの稽古場一日入門、雅楽のレクチャーなど。

ほかにも、たとえば五右衛門風呂を使っているなら、火焚き(竹筒を使って火に空気を送る)などをお客さんにやってもらっても喜ばれるかもしれませんよ。

2−4.食事の提供方法や内容を考えよう。

農家民泊は一般的に、1食(夕食)〜2食(夕・朝食)の食事提供を含みます。しかし、法律的な面からいうと、食品衛生法上の「飲食店営業許可」を持っていないと、有償で食事を提供することはできませんから、注意が必要です!

この対策として、「食事をお客さんに一緒に作ってもらう」というアイデアが多用されています。「お金貰っているのに、料理させるの?」と気が引けるかもしれませんが、郷土料理色の強いものを、且つレクチャー気味に行うなら、不快に思うお客さんはそうそういないでしょう。または、旅館業法の申請はしないにしても、飲食店営業許可だけは取得するのも良いかもしれません。

また、法律を無視して無資格で料理を提供している農家民泊も少なくありませんが、あくまで自己責任で行ってください。

2−5.適した料金設定を考えよう。

あなたが提供したい体験プログラムや食事内容が決まったら、それに適した料金設定を考えましょう。

一般的に、体験プログラムの指導料は1人1コマ1,500〜2,000円が相場となっています。食事は、夕食が1,000〜2,000円、朝食が500〜1,000円といったところ。宿泊料金は本来ならば徴収してはいけないのですが、1人1泊3,000円程度で計算しているところが多いです。

そのため、5,000〜7,000円程度が農家民泊の一般的な相場となります。

また、地域の農家民泊推進団体が、料金を決めている場合も少なくありません。その場合は、地域の規定に従いましょう。それに納得がいかない場合、その推進団体には加盟せず、フリーランスで経営するという選択肢も。

2−6.農家民泊推進団体に経営内容や写真を送って、ホームページに掲載してもらおう。

あなたの農家民泊の経営内容が固まったら、それを文書にまとめて、地域の農家民泊推進団体に送りましょう。もちろん、あなた方の写真や家屋の写真、体験プログラムの様子を伝える写真なども一緒に。推進団体のスタッフがそれをホームページにまとめ、集客・宣伝を行ってくれるはずです。

あとは、お客さんがやってくるのをワクワクしながら待つのみ!

3 農家民宿の始め方を徹底解説!

民泊

さて、次は農家民宿を営む際のノウハウについて特集します。農家民宿は、資格の取得やリフォームと、かなり大掛かりな準備が必要となってきますので、気合を入れて、取り組んでいきましょう!

3−1.やはり行政を訪ね、情報を仕入れてこよう。

最初にやるべきことは農家民泊のケースと同じです。まずはお住まいの地域の役所に出向き、農家民泊の推進団体のようなものがあるか尋ねましょう。基本的に、推進団体の傘下で営むこととなります。お住まいの地域における農家民宿経営のマニュアルのようなものが用意されていることがあるので、貰ってくると良いですね。

3−2.家屋を民宿向けに整えよう。決まりがたくさんあるので要注意!

やはりまずは家屋の整備が先決!そして最も大変ですよ!

推進団体の作るマニュアルを参照するのが最も確実ですが、法律上で必要とされる設備をご案内します。

3−2−1.食品営業許可の取れるキッチン作り。

有償で食事を提供するつもりなら、キッチンは整備されていなければなりません。

  1. 食事する場所とは区分された場所にキッチンを設ける。
  2. 専用の手指洗浄設備(洗面台)が必要。
  3. 食品洗浄設備(料理用のシンク)とは別に、器具容器洗浄と器具容器消毒を行うシンク、つまり計2つのシンクが必要。

3−2−2.最低2つはトイレが必要。10人以上収容なら3つも必要!

トイレは、宿泊客の快適な滞在にとってとても重要なものです。1つの家の中に10人も20人も寝泊まりするのにトイレが1つしかないと、みんな困ってしまいます。

宿泊定員が5人以下→小便器1個、大便器1個、計2個。(または大便器2個。)
宿泊定員が6〜10人→小便器1個、大便器2個、計3個。(または大便器3個。)

客間を2部屋も設けようと思うなら、トイレは3個必要となり、増築は必須でしょう。ただし、家族の使うものを宿泊客が兼用してもかまいません。

3−2−3.洗面所は宿泊客専用のものが必要!

洗面所(ここでは手を洗う場所を指します)は、宿泊客専用のものを備えている必要があります。洗面所を2つ備えている家屋は少ないので、これも増築が必要になるでしょう。

3−2−4.お風呂も兼用ではダメ!ただし、近所に公衆浴場があるなら1つでOK。

お風呂も、宿泊客専用のものを設けなければなりません。近所に温泉などの公衆浴場があり、お客さんにそれを利用してもらう場合にはお風呂の増設は免除されますが、宿泊客に毎日毎度公衆浴場まで出かけてもらうというのは現実的とは言えないため、やはり増設が必須と言えそうです。

また、特に2グループ以上を同時に受け入れるつもりなら、銭湯のように複数の人が同時に利用できる大きさのお風呂がベター。10人ものお客さんが順番待ちをするとなると、入れなくなる人が出てきてしまいそう…。

3−2−5.お客さん用のスペースの衛生環境を整える。

たとえば客室には、風通しや採光が義務付けられているため、屋根裏部屋や倉庫部屋のような空間を転用するのは難しいと考えましょう。

  1. 照明による採光は、下記の基準を満たす必要があります。
    客室、応接室、食堂など→40ルクス以上。
    浴室、洗面所、トイレなど→20ルクス以上。
  2. 換気のための窓や開口部は必要に応じて開放し、換気設備(換気扇)があるならば充分に運転します。
  3. 客室やその他適当な場所には、ゴミ箱を用意します。
  4. 寝具類は常に清潔に保ち、シーツ、布団襟、マクラカバー、浴衣は、客一人ごとに洗濯したものを用意します。
  5. 営業施設の内外は常に清潔に保ち(雑草を刈り取り)、ねずみなどの衛生害虫の防除に努めます。

3−3.体験プログラムを考えよう。

体験プログラムの検討については、農家民泊と同様です。トピック≪体験プログラムを考えよう。季節や天候に合わせて複数のものを。≫をご参照ください。

3−4.食事の内容や値段を検討しよう。お客さんをキッチンに入れるのは違法!

農家民宿は一般的に食事の提供を含みますが、1食であるか2食であるかは各農家さんの意向で決めることができます。またはお客さんに選択してもらっているケースも多いです。
食事のために従業員を雇うと経費がかさんでしまうため、家族の人数や本業の忙しさに合わせて無理のないプランを考えましょう。

また、食品衛生法に則って営業する場合、お客さんをキッチンに入れて一緒に料理をすることは禁じられているのでご注意を!

3−5.適した料金を考えよう。

提供する体験プログラムや食事内容が固まったら、料金を定めていきます。

一般的に、宿泊料金は1人1泊3,000円程度です。農家民泊より設備投資にお金をかけたとしても、素泊まりで4,000円以上を付けると利用者の反応は厳しくなるでしょう!高い料金を付けたいなら、建物をオシャレにしたり豪華にしたりといった付加価値を付けると良いですね。

体験プログラムは1人1コマ1,500〜2,000円ほど。食事は夕食が1,000〜2,000円、朝食が500〜1,000円ほどの相場となっています。

なお、地域によっては農家民宿の推進団体が料金を一律に決めていることがありますから、その場合はルールに従ってください。

3−6.各種の届け出を済ませよう。

農家民宿を営む際は、規模やスタイルにもよりますが、様々な機関に許可申請を行わなければなりません。

  1. 旅館業法:民宿を営業する場合は、「簡易宿所」の許可が必要となる。→保健所へ。
  2. 食品衛生法:食事の提供を行う場合、食品衛生法上の「飲食店営業許可」が必要となる。(宿泊者が自炊をするだけならこれは必要ない。)→地方事務所へ。
  3. 建築基準法:家屋を新築または改築する場合、建築基準法による「建築確認申請」が必要となる。→地方事務所へ。
  4. 消防法:旅館業営業許可申請の際に、「消防法令適合通知」を提出する必要がある。カーテンやじゅうたんは防火加工したものを使う必要がある。延べ床面積が150平方メートル以上の場合は、消火器または簡易消化用具の設置が必要となる。→消防署へ。
  5. 水質汚濁防止法:農家民宿の厨房施設、洗濯施設、入浴施設から公共用水域に水を排出する場合、その施設の設置工事に着手する60日前までに地方事務所に届け出が必要となる。→地方事務所へ。
  6. 浄化槽法:浄化槽を設置する場合は、市町村へ届け出をする必要がある。→地方事務所へ。
  7. 都市計画法:建物の場所によっては農家民宿を営業できない場合があるため、確認をする必要がある。→市町村役場へ。
  8. 農振法:農用地区域では建築物その他の工作物の新築などの行為が禁止されているため、農用地区域からの除外を申請する必要がある。→市町村役場へ。
  9. 農地法:農地を農地以外のものに転用する場合、農業委員会の許可を受ける必要がある。→市町村農業委員会へ。

3−7.農家民泊推進団体のホームページに掲載してもらい、他にもどんどん宣伝しよう。

農家民泊の経営内容が固まり、各種の許可申請が無事に通ったなら、経営内容やアピールポイントを文書にまとめて、地域の農家民泊推進団体に送りましょう。推進団体のホームページで、集客・宣伝を行ってもらいます。

他にも、雑誌やテレビ局に売りこんだり、FacebookなどのSNSを上手く使って、積極的に宣伝をすると良いです。

お疲れさまでした。あなたも晴れて、農家民宿の経営者ですね!

民泊スタートアップnaviでは、農家民泊はもちろんのこと、民泊に関する記事を大充実でお送りしています。民泊市場の流れ、各種の法律、経営ノウハウなど様々な記事がありますから、気になるものをトップページからお探しのうえ、ご活用ください。

まとめ。

kaigraphick / Pixabay
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【農家民泊と農家民宿ってどう違うの?】

  1. まずは共通点を。「農業体験の提供できる宿泊施設」が農家民泊であり農家民宿。
  2. 参入がカンタンなのは、ダントツで農家民泊のほう。
  3. 許可申請の違いはどうなっている?
    農家民泊→旅館業法や食品衛生法をはじめ、たくさんの許可取得が必要。
    農家民宿→原則的に法的な許可申請は不要。地域の行政が定めている場合はそれに従うこと。
  4. 単価の違いは?どちらのほうが単価が高い?
    農家民泊→宿泊料金の名義ではお金を取れない。1人1泊5,000〜7,000円。
    農家民宿→宿泊に食事と体験プログラムの料金を含め、1人1泊7,000〜10,000円。
  5. 集客方法の違いは?集客の間口が広いのは?
    農家民泊→地域の農家民泊サイトが中心。または民泊用の民間サイト。
    農家民宿→地域の農家民泊サイトに加え、Yahooトラベルなど一般のホテル予約サイトでも集客が可能。
  6. 経費の違いは?どちらがかかる?
    農家民泊→タオル代、シーツ代、食材の実費くらいでほとんど経費はかからない。
    農家民宿→リフォームに数十万〜数百万円、許可申請にも数万円、さらにその維持費が毎月かかる。
  7. どちらが人気?軍配は農家民泊。
    農家民泊→「ありのまま」が功を奏して、消費者の需要も満足度も高い。
    農家民宿→設備やサービスにお金がかかっているわりに、いまいち人気はない。
  8. ストレスのかかり具合は?
    農家民泊→「お客さんは家族」のイメージなので気楽。赤字に苦しむこともない。
    農家民宿→「お客様は神様」の精神できっちり接客しなければならない。赤字の懸念も。
  9. 起業に注意が必要なのは?圧倒的に農家民宿のほう!
    農家民泊→だまされることもなく赤字もないので、あまり注意は要らない。
    農家民宿→行政の利権に振り回されてしまうことがある!赤字の懸念も大きく、注意が必要。

【農家民泊の始め方を徹底解説!】

  1. まずは行政を訪ね、農家民泊の推進団体を探し、情報を仕入れてこよう。
  2. 農家を民泊客向けに整えよう。そう難しいことはない。
  3. 体験プログラムを考えよう。季節や天候に合わせて複数のものを。このような事例が。
    農業体験…田植え、稲刈り、果実の収穫など。
    自然体験…里山ハイキング、ホタル鑑賞、川遊び、魚のつかみ取りなど。
    料理体験…郷土料理教室、干物や漬け物、発酵食品の加工など。
    自作体験…昔のおもちゃ作り、草木染め、伝統工芸体験など。
    林業体験…間伐、木炭作り、薪割りなど。
    酪農体験…牛や鶏の世話、乳しぼりや卵の採集、乗馬など。
    漁業体験…船舶漁に連れていく、一本釣り、魚のつかみ取りなど。
    伝統芸能体験…舞妓さんの稽古場一日入門、雅楽のレクチャーなど。
  4. 食事の提供方法や内容を考えよう。お客さんと一緒に夕食を作る農家が多い。
  5. 適した料金設定を考えよう。宿泊料、体験料、食事代込みで5,000〜7,000円が相場。法律上は宿泊代金は取れないので注意!
  6. 農家民泊推進団体に経営内容を送って、ホームページに掲載してもらおう。

【農家民宿の始め方を徹底解説!】

  1. やはり行政を訪ねて農家民泊の推進団体を探し、情報を仕入れてこよう。
  2. 家屋を民宿向けに整えよう。下記のように決まりがたくさんあるので要注意!
  3. 食品営業許可の取れるキッチンの条件。
    (1)食事する場所とは区分された場所にキッチンを設けなければならない。
    (2)専用の手指洗浄設備(洗面台)が必要となる。
    (3)食品洗浄設備(料理用のシンク)とは別途、器具容器洗浄と器具容器消毒を行うシンク、つまり計2つのシンクが必要となる。
  4. トイレについての条件は以下のとおり。
    宿泊定員が5人以下→小便器1個、大便器1個、計2個以上。(または大便器2個。)
    宿泊定員が6〜10人→小便器1個、大便器2個、計3個以上。(または大便器3個。)
  5. 洗面所については、宿泊客専用のものが必要!
  6. お風呂も家族と兼用ではダメ!ただし、近所に公衆浴場があるなら1つでOK。
  7. 旅館業法には、お客さん用のスペースの衛生環境にも以下の基準がある。
    (1)照明による採光は、下記の基準を満たす必要がある。
    客室や応接室、食堂など→40ルクス以上。
    浴室や洗面所、トイレなど→20ルクス以上。
    (2)換気のための窓や開口部は必要に応じて開放し、換気設備(換気扇)があるならば充分に運転しなければならない。
    (3)客室やその他適当な場所には、ゴミ箱を用意しなければならない。
    (4)寝具類は清潔に保ち、シーツ、布団襟、マクラカバー、浴衣は、客一人ごとに洗濯したものを用意しなければならない。
    (6)営業施設の内外は常に清潔に保ち(雑草を刈り取り)、ねずみなどの衛生害虫の防除に努めなければならない。
  8. 体験プログラムを考えよう。上記の農家民泊の記述をご参照ください。
  9. 食事の内容や値段を検討しよう。農家民泊とは違い、お客さんをキッチンに入れるのは違法!
  10. 適した料金を考えよう。宿泊料、体験料、食事代込みで7,000〜10,000円が相場。
  11. 各種の届け出を済ませよう。
    (1)旅館業法:民宿を営業する場合は、「簡易宿所」の許可が必要。→保健所へ。
    (2)食品衛生法:食事の提供を行う場合、食品衛生法上の「飲食店営業許可」が必要。(宿泊者が自炊をするだけなら必要ない。)→地方事務所へ。
    (3)建築基準法:家屋を新築または改築する場合、建築基準法による「建築確認申請」が必要。→地方事務所へ。
    (4)消防法:旅館業営業許可申請の際に、「消防法令適合通知」の提出が必要。カーテンやじゅうたんは防火加工したものを使う。延べ床面積が150㎡以上の場合は、消火器または簡易消化用具の設置が必要。→消防署へ。
    (5)水質汚濁防止法:農家民宿の厨房施設、洗濯施設、入浴施設から公共用水域に水を排出する場合、その施設の設置工事に着手する60日前までに地方事務所に届け出が必要。→地方事務所へ。
    (6)浄化槽法:浄化槽を設置する場合は、市町村への届け出が必要。→地方事務所へ。
    (7)都市計画法:建物の場所によっては農家民宿を営業できない場合があるため、確認が必要。→市町村役場へ。
    (8)農振法:農用地区域では建築物その他の工作物の新築などの行為が禁止されているため、農用地区域からの除外申請が必要。→市町村役場へ。
    (9)農地法:農地を農地以外のものに転用する場合、農業委員会の許可が必要。→市町村農業委員会へ。
  12. 農家民泊推進団体のホームページに掲載してもらい、他にもメディアに売り込んだりしてどんどん宣伝しよう。

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